ほぼ足りてまだ欲 その先

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映画 1958年

 CSの日本映画のチャンネルで古い、古い映画をやっていた。1958年の東宝映画、「続社長三代記」という。なんとモノクロだ。私が小学校5年生の時だから学校から帰ってきたらランドセルを放り出してみんなで釣りに行ったり、どこかから借りてきた自転車で三角乗りなんかして遠出をしていた時分のことだ。西鉄ライオンズが稲尾、中西、豊田、玉造なんてメンバーで全盛を極めていた頃で、そういえば「稲尾和久物語」も「土俵の鬼」もみんなモノクロだった。そうやって考えるとそれからしばらくして見たベンハーはもうカラーだったし、なんたって戦前の映画「風と共に去りぬ」もカラーだったことを考えると米国の物量、技術ってものとは格段の相違だった時代なんだと感慨にふける。ひとつひとつのセットを見ても、みんなちゃちなんだけれど、当時の私たちは格好良いなぁ、と思っていたのだ。羽田の滑走路の周りには、何一つ見えない。
 私が子どもの頃の東宝映画といったらこの類の映画が象徴していたなぁと見ながら何度も何度も想い出した。そしてまたワンカットが延々と長い。そしてセリフは少ないけれど、三木のり平の演技というか、動きなんてもう実にそれはそれは面白くて、こんなことのできる役者を今では思いつくこともできない。あの辺はテストがあったりしたんだろうか。
 今この頃の映画を見ていて面白いのは、出てくる役者をこれは誰かと判別する当てっこだ。今日は相当私は当てたけれど、残念なことに杉葉子だけは名前が出てこなかった。司葉子とか、杉葉子、あるいは白川由美なんてところが区別がつかないのだけれど、この頃の白川由美東宝に出るわけはないので、絞れるのだ。この映画で大笑いだったのが、扇千景藤間紫と一緒に芸者役で出ているのだ。のちの参議院議長もこの頃はなかなか可愛いのである。
 雪村いづみ森繁久彌久慈あさみ加東大介杉葉子、団令子、小林桂樹司葉子三木のり平有島一郎淡路恵子藤間紫扇千景笹るみ子若水ヤエ子、白石奈緒美・・・。みんな若いッ!