ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

じゃ、話そうか。

 私の頭の髪の毛はもう殆ど失われている。子どもの頃はばりばりの強い毛で、へなへな髪だったオフクロは私の髪の毛を随分羨ましがったものだった。それはそういう髪の毛の方がパーマを掛けても持ちが良いんだというのである。40数年前には姉のホットカーラーで巻いたこともあるくらい長くて、当時の若者の殆どがやっていたくらいの長さだった。その話を今、周りの若者にすると、殆どの人たちが「ぷっ」と吹き出すくらいにもう想像ができない。
 しかし、30代になってアフリカに仕事で行って、塩分や石灰分を含んだ水を飲み続けていたからなのか、帰って来たらすっかり白髪になってしまって、行く前は巻いて貰っていた床屋にいったら「どうしちゃったの?」といわれたくらいだ。そこからはどんどん白髪になった。床屋で刈り込んで貰うと椅子の周りが灰色になった。
 それが50歳をすぎて数年経った頃に「はっ!」と気がついたらもうすっかり後頭部が薄くなっていて、床屋が刈り込んだあとに合わせ鏡で見せられるのが辛くなり出した。見せておいて「如何でしょう?」といわれる度に一度で良いから「そこんところの髪の毛もう少し増やしておいてくれる?」といいたい誘惑に駆られるが、いったことはもちろん一度もない。
 そう気が付いた時から床屋に行くと6mmのバリカンでだぁ〜っと刈り上げて貰っている。もう未練がましい態度は取るまいということにした。その点、人前に立つ人たち、要するに歌い手とか役者さんとかは大変だ。最近のテレビコマーシャルで多い業種のひとつがカツラ産業というか、頭髪産業とでもいうジャンルだ。訥々と喋る九州出身の社長が売り物にしている会社、野際陽子が宣伝する企業、爆笑問題がやっている会社、他にもたくさんある。私は昔から帽子を被っているのが常だったものだからそれほど取って付けたようではないけれど、逆に帽子を被り続けていたのがいけなかったんだという人もいるけれど、本当かねぇ。
 某ミュージッシャンは60数歳になってようやく帽子を脱いだと思ったら上手い具合にできている状態になっていた。人前に出る人は大変だ。
 ベジータの声を出している俳優さんは豊かな髪の毛をしていて羨ましい限りである。