ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

為替

 円ドル為替レートが一時84円台に突入して15年振り(?)の円高に振れた。昨日の株価も最安値は9,065円94銭までいった。円ドルレートは今朝になって見たらNYでは86円に近い85円台になってきている。
 その間、菅直人が軽井沢プリンスホテルに閉じこもっているといって、twitterではみんなで大バカ呼ばわりだ。先月の参議院議員選挙で大敗して以降、菅直人を叩くのは遠慮しなくて良いらしい。
 前回為替が大きく円高に振れたのは1995年の中頃だったような記憶である。当時、私は日本から豪州に行った。行ったのはよいけれど、それまで暮らしていた都心とは違って、車がないと暮らせない環境だった。家は会社が借り上げて貸してくれることになっていたけれど、車を買わなくてはならないので、TCで持ちこんだ。なにしろすぐに車を入手しないと動けない。1995年4月には1ドル=79円75銭という状況だった。豪ドルは1ドル=60円くらいだったのではなかったろうか。今になっていえることは豪州は中古車市場価格が日本のように落ちる市場ではなかったから、思いっきり高級といわれる車を買って、帰ってくる時に売ってくれば一儲けできただろうということである。
 あの時、村山富市首相はどの様に対応したのだろうか。G7がワシントンで開かれて「行きすぎ声明」を発表。各国が協調介入して、徐々に100円に向かったという。1998年8月には1ドル=147円にまで円は下がった。
 国外取引を要する企業では、決済通貨を円に転換して売り上げる。つまり、円を買うことになる。しかし、こんな具合に円が高くなったり、安くなったりしたら、懐に入る円が少なくなったり、多くなったりする。損をしたくない。だから、先を見越して予約する。換算レートをあらかじめ決めておこうというわけだ。でも、これだってその時期が来てみたら前より結果論的に得か、損かということにはなるけれど、自分で決めておいただけ、諦めもつく。これによって企業にとっては悲喜こもごもなことが起きる。
 だから、ずーっとレートが変わらないでいてくれることが商売上からいったら一番良い。しかし、変動相場に移行しているんだから、そんなことはあり得ない。その変動が急激か、あんまり動かないかの違いだけだ。
 国家的観点からいえば、こんなに急激に円高に振れるのは経済政策上からいえば輸出経済によって成り立っている国家としては儲からなくなる。しかし、国際的に見ればまだまだ相手にしてもらえている通貨を持った国なんだな、ということでもある。
 まぁ、私のようなもう企業活動から足を洗った年寄りにとってはあんまり関係がないといえば関係ない。どうせ個人的には何ができるわけでもない。これで電気代が少しは安くなるんだろうかといえば、いやいや設備投資のための資機材が高くなるのでそうはできません、てなことをのたまうのだろうか。
 今この時点で海外に遊びに行っている人たちの中には、ほんの少し儲かったような気がする人がいるんだろうけれど。
 「ほうらぁ、君たちはドル安円高になると困るんだろ?だからアメリカのいうなりになって、アメリカ経済を支えないとダメだろ?」とあちら様が仰っているんだぞと港区にある某超有名な大学の経済学教授であらせられる方が得意げにいっているかも知れないね。