ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

知ってはいたのだけれど

 随分前に雷門通りのひっそりとしたビルの地下にあったイタリアンの店、「モルト・ボーノ」が閉店してしまって以来、界隈のイタリアンの店を巡ってあれに変わる美味しいイタリアンを捜してきたのだけれど、なかなか気に入るお店が見つからず「モルト・ボーノやぁ〜い!」と声を掛けていた。先日ようやく一軒見付けたかなと、これからここにしようかと収まりかかってきた。ところが、今日用事があったのがもう一本南に降りた浅草通りの方で、そういえば随分前からこっちにイタリアンの店ができていたのは知っていたのだけれど、前に住んでいたところに余りにも近かったので、ハナから入る気のなかった店がある。
 取り敢えずこんな状態だから、入ってみようかということになって、そろそろ昼飯ラッシュも一段落かな、というタイミングで入ったら、これが私にとってはあたりだった。嬉しかったなぁ。「Monte Bianco」という店。ところが食べログでは意外に評判が良くない。ま、良いか、食べるのは私だから。バターに蜂蜜が混ぜてあると書いている人がいるけれど、聞いてみたらメープルだった。あ、なるほどね。初めての経験だったから美味しかった。ひょっとしたら昔は蜂蜜を練り込んでいたのかも知れないな。連れあいが頼んだワン・プレート(1,500円)は白身魚の切り身のグリルが載っていてスパゲティはボロネーズ。白子のフリッターとか、ロースト・ポークとか。
 そうそう、久しぶりに浅草寺の表にやってきたら、ご存知並木の藪蕎麦の横に建築計画の札が立っていて、思わず隣のあの歴史ある元銀行かなんかの建物が壊されて建て直すのかと思ったら、そうじゃない。並木の藪があの木造モルタルの仕舞た屋を壊して三階建てにするんだそうだ。そりゃもちろん並木の藪にふさわしい建物になるんだろうけれど、なんとなく尾張屋のようになってしまうような気がして、鼻白む気分がしないでもない。今の建物で天抜きなんぞで一杯やりたい向きにはお急ぎになることをおすすめする次第。そういえば蕎麦屋はみんな木造の建物が嫌になるように見えるなぁ。十和田だって何もあんなに大きな建物にしなくたって、という気がする。そういえば今日は店の中から三味線太鼓の賑やかなところが流れてきていた。観音裏のお気に入り「弁天」だけはまだ木造だな。
 帰りにどうせここまで来たんだからとペリカン・パンに行くとちょうどバターロールを袋詰めしているところだったからバターロールを下さいといったら「あれは予約分ですっ!」とぶすっと返され「食パンしかありません!」と威張っていう。やめようかと思ったけれど、久しぶりのことだからとあの小さな断面の食パンを押し頂いてきた。あそこの店は評判が良いからなのかなんなのか知らないけれど、いつ行ってもあんな具合のつっけんどんで、本当に気分がよくない。奥で詰めている人たちの目線も、そんな気分で見るからか、「なんだなんだ、良くわかってない年寄り夫婦がまた来たな」といっているように見える。気分の問題か。それに較べるとさっきの「モンテ・ビアンコ」の女性の愛想の良いのが際立って見える。どうせ商売するんだったら気持ち良い商売をしたいと思う今日この頃だよ。そんな気分なので、ペリカン・パンの写真はない。