またぞろ性懲りもなく古い雑誌の話なのだけれど、1976年の11月付で「面白半分」の増刊号として「漫画半分」の創刊号が刊行されている。「面白半分」はその5年前に刊行されたと書いてあるから1971年創刊だということか。
「漫画半分」という雑誌についてはその後一冊も蔵書から見つかっていないところをみると、「面白半分」と対した差がないものだから毎号買う必要もないやと見限ったということだろう。面白かったのは巻頭の水木しげるの「エッセイ漫画 ああ天皇とボクの五十年」という漫画、井上ひさしと山藤章二の対談「夜明けのクレージィ」の二つくらいだろうか。他はなんだか埋めるべくして埋めているという印象がしてつまらない。
そういえば「面白半分」1977年9月号は目次にタモリ「ハナモゲラ語の思想」とあるのだけれど、そのページを開けると「タモリ氏の『ハナモゲラ語の思想』の原稿は、まだ印刷所に到着いたしません。白紙のままでお届けすることを深くお詫び申し上げます。編集部」と書いてあってバックナンバーの広告が一部に掲載されているだけである。結構大胆なことをやっていたのだ。当時の「面白半分」は定価300円。
のちに単行本化されてかなりの部数を売り上げ、その手の本がかなりの数刊行された高橋孟の「海軍めしたき物語」は「面白半分」の連載が初出である。