ほぼ足りてまだ欲 その先

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 前回石原慎太郎が150億円を使って大失敗したオリンピック誘致は何が原因だったのかというと、当時の石原慎太郎の発言によるとブラジルのあるキャンペーンによるということになるのではなかっただろうか。そんなことをはっきりいってしまうとなんだけれど、要するに各国のIOC委員に運動をする、つまり、票を入れてもらえるようにする、え〜っと、まぁ、そこを察してもらいたいんだけれどぉ、え〜い、もうしょうがないからいっちまうと「掴ませる」ってことかな。それが足りなかったといっていたのじゃなかったか。しかし、それを匂わせて相当叩かれたんじゃなかったっけ。
 で、表向きの理由は国民の盛り上がりが足りなかった、ということになっていたはずだ。つまり、みんながそれほどオリンピックの誘致に関心がなかったってことなんだけれど、それはどこでわかったんだろう?あの時は東京都内の商店街に「オリンピックを東京で!」という旗を張り出させた。ブラジルに持って行かれてからも寂しくブル下がっていたのを覚えている。
 だから、今度は凄いね。テレビでキャンペーンをがんがんやっているし、NHKだって日頃の番組の中でオリンピック出場選手をガンガン出演させる。地下鉄の宣伝スクリーンでもどんどんロンドンオリンピックの場面を連続してフラッシュ放映し続けている。「あの感動を今度は東京で!」といっている。そうそう、確かにもう既に1964年に東京でそんなことがあったよ。しかし、これは放送媒体を使った国民に対する盛り上がり喚起のためのキャンペーンであって、「国民の盛り上がり」ってことじゃない。じゃ、「国民の盛り上がり」とは何を指していうのか、ということでもある。
 今のキャンペーンのやり方というのは実に簡単な話で、東京都からオリンピック招致運動を引き受けているのは例の広告代理店に決まっているし、そうした媒体を支配しているのも例の広告代理店であることも周知の事実。
 金さえ遣えば簡単に出現できる「国民の盛り上がり」って、ことである。
 それよりももっと問題なのは、福島第一原発が今こんな状態にあって(つまりいつまた放射能汚染が拡大するかわからない)そこに世界各国から人を集めることを前提にする大会を開くことが世界に貢献する行為かどうかということであって、それから考えたら答えは明確だ。