ほぼ足りてまだ欲 その先

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The Railway Man - NHK

 豪州の映画。4月19日に日本でも公開されることが決まっているそうで、東京では角川シネマ有楽町(旧そごう=ビックカメラの上)、渋谷シネパレス、新宿ピカデリー
 邦題は「レイルウェイ 運命の旅路」出演はニコール・キッドマン、真田真之、コリン・ファース。日本ではもうどれくらいの人たちが覚えているのかわからないけれど、これまで映画にも取り上げられた第二次世界大戦中のタイの泰緬鉄道建設に強制労働させられた豪州兵捕虜と当時の通訳だった日本人との間の戦後の物語。
 今のこの日本という国の中でこの映画がどの様な評価を得ることになるのか、非常に興味深い。それは安倍晋三-籾井勝人-百田直樹というつながりが今まさに構築しようとし、人種差別運動を含む歴史修正主義が大手を振り始めている状況の中でこのテーマを今一度突きつける映画の出現だからである。
 こうした切り口の映画が、日本から出されずに被害者の側から提示させられ、こっちは「永遠のゼロ」では余りにも偏っている。
 NHKの籾井勝一会長は今日もまた国会に呼ばれ、経営委員からの辞表の撤回を迫られながらもこれを拒否。しかし、重要なのは既に提出させたという辞表の問題よりも、国際放送についてではあるけれど、「政府が右というものを左というわけにはいかない」とした発言である。
 NHKが行う国際放送は敢えていえば国を代表した報道であり得るわけで、政府が主張することをそのままなんの中立性の判断もなく流すのであるならば、これはもう報道という言葉を使うことは間違いであり、すでに国営放送そのものだというべきである。「右」と主張する政府に対して、これが偏っているとすれば戻すスタンスをとるべきであるのだ。
 ところでここでは何度も取り上げているけれど、日本軍は戦中に豪州のダーウィンに64回空襲をしており、シンガポールでは多くの豪州兵を捕虜にした。東京裁判のウィリアム・ウェブ裁判長は豪州人。戦中に東京から太平洋に向けて放送された「ゼロ・アワー」のディレクションをしていた人間の一人は元シドニーの2GBのアナウンサーをしていたチャールズ・カズンズである。