ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

散歩

 台風18号が迫っていて、雨脚は激しくなるばかりなんだよと聞いてはいたけれど、パンも払底してきているし、私が嫌いな週刊新潮新潮新書を出している新潮社から出ている、唯一私が許す季刊雑誌の「考える人」が出ているはずだし、新書、文庫で欲しいものがあったので本屋にも行かなくてはということで出かけることに。
 5年ほど前に買ったハイキング用の靴が靴棚から「おい、どうするんだよ」といっていたので、これを履いて出かけることにした。この靴はなかなか良い案配で、なかなか快適だということがわかった。これから愛用してみようかと思うな。これは確かおんなじ靴を履いている人と乗り物で乗り合わせた記憶がある。もう多分売ってないだろう。
 普通本を買いに行くといったら地下鉄で日本橋、京橋、銀座のいずれか、あるいは全部に行くのだけれど、今日はこんな雨でもあるし、北千住に紀伊國屋があったはずだし、ついでに昼飯をあの「鶴亀飯店」にしようじゃないかと心に決めて、出る。靴は裏が濡れた路面でも濡れた石の床でも滑らなくて、はなはだ快適だ。これに似たものをまた見つけておかなくちゃならないなぁ。靴は良いんだけれど、さすがにこれだけの降りだとジーパンは裾が濡れて来ちゃう。スパッツの長いものを売っていないものだろうか。オーバーパンツを穿くのは面倒な上に、私のような短足男は裾が必ず余ってしまって始末に悪い。そこを長いスパッツでカバーすれば良いんじゃないだろうか。その上から「鞄を背負っていても着られるレインコート」を着れば完璧な気がするけれどなぁ。要検討だ。
 本屋はやっぱり私鉄沿線(今は私鉄しかないんだけれど)のターミナル駅にある本屋では限界があるということがよくわかった。

考える人 2014年 11月号

考える人 2014年 11月号

 雑誌はあった。「考える人」の特集が「オーケストラを作ろう」ってのはいったいどういうことざしょ?この雑誌は時々こういう外れっぽいテーマを出してくるんだよなぁ。という第一印象を持ちながらこの雑誌を手にして表紙を見た時に、あれ!っと思った。こんな衣装を着た随分若いプレイヤーたちのオーケストラは一昨日にネット上で目にして、YouTubeでその演奏を聴いてぶったまげた、あの何とかという長ったらしい名前のオーケストラが着ていた衣装にそっくりだぞ!と。いや、そっくりどころじゃない、あのオーケストラそのものだ。

 Orquesta Juvenil Simón Bolívar de Venezuelaというオーケストラの演奏である。私は未だにこのオーケストラが何を意味するのかがわかっていない。名前や顔つきからいってあのオーケストラが南米のオーケストラだとは理解していたけれど、名前からいってベネズエラのオーケストラだということはわかった。
 ところがこの雑誌の特集を読み始めても、これが何を意味しているのかよくわからなかった。
 巻頭の山田真一の記事に「エル・システマ」これは音楽教室で、その名前がEl Sistema Nacional de las Orquestas Juveniles e nfantiles de Venezuelaというのが正式名称なんだそうだ。若い演奏者ばかりなのは当たり前なのだけれど、演奏者がみんなとても嬉しそうな、自信に充ち満ちているのがとてもよくわかるのだけれど、あの犯罪率世界一じゃないかといわれるほどのベネズエラでなんでこんな活動が成り立っているんだろうか。「無料で楽器を習え、無料で楽器を借りることが出来、無料でオーケストラ活動に参加できる世界最大の合奏型音楽教室」っていわれたって想像がつかない。ついこの前までは世界経済で一、二を争っていたこの国でさえ、今や「文楽交響楽団に出す金はない」という声が平気で飛び交っているというのに、である。
 そうか、文化というのはその気になればどうにかすることが出来るということなのか。いくら経済的に衰退することがわかっていたとしても(今、日本はここ)、ナショナリズムを煽っていくのが国民を一方向に向かせる唯一の術ではないということを、文化の力は見せることが出来るのかもしれない。
 この「考える人」は手にすると片手でぺらぺらとたぐりにくい。おや、いったい何だろうと巻末を見ると50号記念とやらで、CDが挟まっている。詳しく読まないとわからないのだけれど(一発でわかるように書けないものか)、2012年9月に核戦争防止国際医師会議ベルリン・フィルの現役アーティストたちが開いたチャリティーコンサートで、この行為が「エル・システマ・ジャパン」の設立を促したのであると書いてある。なるほど写真はベルリンのベルリン・フィル室内楽ホールのステージである。
 昼飯は北千住の「鶴亀飯店」で「上海海老湯麺」(店員内呼称:エビメン)860円である。