ラジオ深夜便を聞いていたら、元朝日新聞の編集委員だったという谷久光という人が出てきた。敗戦当時、子どもだった人たちの体験談を集めているという。うつらうつらしながらイヤフォンで聞いていたので、聞き漏らしたのだけれど、ある時、中国の人に「私の両親は日本人に殺されたのです」といわれてハッとしたという。
私たちは「もう70年も経っている」と思っているし、巷では「なぜ日本人はいつまで謝り続けるのか」という声が聞こえてくるくらいの時間が経ってはいるけれど、戦争による傷は何らかの形をとっていつまでも続く。次世代にまで謝罪させるとでもいうのかという言い方を平気でするけれど、この傷は、そう居直れば居直るほどいつまでも治らない。