日本人は自分たちが今でも「経済大国」だと思いたいと、その思いに確執し続けているように見えます。実態はもうすでにとっくに頂上期を通り過ぎてどんどん坂道を下り続けています。というのはどういうことなのかというと、生活基盤を見直さなくてはならないということなのだと思うのです。それは自分の生活の問題だけではなくて、世界における日本の国の立ち位置を考えなくてはならないということでもあります。その点では安倍晋三の考えは全くこれとは相容れない立場に立っています。いつまでも日本国民に自分たちが世界の主要な、重要な、大きな影響力を持つ国民なんだと思わせようとしています。それは結果的に日本という国を思い違うという根本的な問題をもたらすだろうということです。
世界に出て行ってみると、とにかくあちらもこちらも、どこでも今伸び盛りの中国の嵐が吹き荒れています。今や中国の出張所なのではないのかと思われる地域はどんどん増えています。どこもかしこも中国のことばかり考えています。この中国台風はいつまで続くのかというと、多分なかなか収まらないでしょう。なにしろ中国は大陸だけでも10億人を超える住民がいますし、それだけではなくて、台湾、香港、東南アジア各地に膨大な中国人が暮らしています。それだけではなくて北米にもオセアニアにも、欧州にももはや中国人が暮らしていない先進国は皆無です。どこの観光地に行っても中華レストランは必ずあります。それは今始まったことじゃない、2-30年以上前からそんな話を聞きます。しかし、今やそんな話ではないのです。かつて日本が北米各地の不動産を買い、ひんしゅくを買ったことを思い出しますが、今やそんな程度の話ではないのです。
日本社会は冷静に日本という国が今世界的にどんな立場にいるのかを考える必要があります。転んでも大国である米国に盲従していくのか、あるいは孤高を守って暮らしていくのか。今安倍晋三内閣は米国の植民地となって暮らしていくことを目標としていることは明らかです。それはそれで一つのやり方かもしれません。膨張する中国の力に屈するよりは米国の植民地の道を選んでいるわけです。
どこにも屈することなく、孤高の立場をとるのには覚悟がいります。私たちはどの覚悟を持つべきなのですか。