ほぼ足りてまだ欲 その先

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北星余市

 土曜日の夕方はTBSテレビの「報道特集」だ。多分民放テレビの夜中でない時間の番組としては骨の残っている報道番組といって良い。古くは田英夫や古谷綱正がキャスターを務めたあの系統を踏んでいるといっても良いだろう。日本テレビやフジテレビが安倍晋三自公連立全体主義政党の広告塔と堕している中で光る存在だ。
 その「報道特集」が今日は北星学園余市高校を取り上げた。
 昨年新学年の新入生は40名に過ぎなかったそうだ。これが今年の4月に新入生が90名に達しなかった場合、2018年で廃校にするというのが学園の意向のようだ。
 生徒が減っているという話はどこかから聞いてはいたけれど、こんなに深刻なことになっているとは思わなかった。
 私は生徒が減っている理由は、通信制の高校が増え、他にも不登校生徒の受け入れを標榜するところが増えてきているからだと思っていたけれど、それよりも深刻なのは貧困の拡大なのだという。今の生徒の1/4は非課税世帯だというのだ。何しろ学費と生活費で月に10万円はかかるというのだ。その上、地元から通っている生徒よりも、内地出身の生徒の方が俄然多かったから、学期ごとに帰郷する生徒はそれだけの交通費が掛かる。
 北星余市がかつての廃校寸前から立ち上がったのは中退者の受け入れからだった。当時はいわゆるボンタンを履いてリーゼントにした突っ張り退校者の受け入れだった。そこから自傷生徒、不登校生徒、その傾向は変わってきていて、今や発達障害の子どもたちがやってきているのだそうだ。
 安河内敏校長先生がいう。「北星余市の教育力というよりは、放っておけないという気持ちのしつこさ」だというのはよくわかる。私は徹底した関与だといいたい。日本の全国、どこを探しても、あれだけの数の先生方がそれぞれ、ひとりひとりが、ひとりひとりの生徒に対して徹底して携わる高校は、そう簡単にはないとほとほと感心した。
 しかし、そんな高校にいけば、何かしらの気づきに突き当たるだろうと思われる子どもたちはたくさんいる。しかし、そんな場に携わることができない子どもたちが相当数に登るのだ。
 その一番大きな要因が「貧困」だなんて、あまりにも辛すぎないか。