ほぼ足りてまだ欲 その先

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茶番

 昨日の衆議院TPP委員会は紛糾して中断。民進党委員不在のまま再開。
 なんで紛糾したのか。
 TPPの交渉経緯については政府は野党の資料公開請求に対して、なんと馬鹿馬鹿しいことに日付と項目だけ残してすべて黒塗りしたものを出した。
 ところがその一方で、この特別委員会の委員長をやっている西川公也の名前で中央公論新社から、暴露本が出ることになっていた。しかもそのゲラを民進党が入手していた。それを元に質問をした民進党に対し、政府は「そんなものがなんなのか、まったく認識していないからコメントできない」ととぼけ続けてきた。

民進党緒方林太郎氏は8日の特別委で、西川氏が出版予定の「TPPの真実」のゲラ刷りを手に、政府が交渉経緯を開示しないのに、西川氏の本には載っていることを指摘した。
 朝日新聞が入手したゲラ刷りによると、「オバマ大統領来日の1カ月前からアメリカは従来の原則論から譲歩すると水面下で打診してきた」などと相手国の具体的な動きを描写。さらに「私は閣僚ではなかったが最後の交渉上の切り札を持っていた」と誇示し、「保秘義務があるため、紙に残すことで万が一の情報流出を恐れた」と生々しく振り返った場面もあった。
 一方、政府は5日、民進に「交渉経緯メモ」を示したが、日付と表題以外はすべて黒塗り。政府は、他の当事国との「秘密保持契約」で、4年間は交渉経緯を明かさないことになっていると説明したが、民進側は「これでは議論ができない」と反発していた。
 安倍晋三首相は西川氏の本について「全く認識していない」、石原伸晃TPP相も「コメントを差し控える」と繰り返した。さらに西川氏が委員長として議事を進めようとしたため民進が反発して退席。審議は約7時間中断し、最後は民進・共産両党が欠席したまま質疑が行われた。
 交渉内容をどこまで明らかにするかで政府と野党が激しく議論を交わす中、西川氏の本は大手通販サイトで予約可能だったが、8日朝には削除されていた。出版元の中央公論新社は8日、朝日新聞の取材に「5月6日の刊行予定だったが編集作業が遅れ、(ネット書店の)新刊情報からの削除を依頼した。作業の遅れは今回の一件とは関係ない」と答えた。(横枕嘉泰・朝日新聞デジタル2016年4月9日00時44分)

 実はこの本は当初は4月中に刊行される予定だったけれど、この審議があるために5月6日刊行に改められていて、Amazonでは予約をつのっていたものだ。ところが確かに8日にAmazonで検索するとそんな本はまったく引っかからない。つまりAmazonのサイトから抹殺され、予定どころか、そんな本は存在しないことになっている。多分刊行されることはないだろう。
 ところが民進党はTPP対策本部に質問を出していて、その回答には書籍が刊行されることは承知しているが「ゲラチェックに協力した職員については確認されていない」と書かれていると緒方林太郎は主張している。これは間違いはないかと石原(金目)大臣に質問するが、石原は意図的に「その白い束については確認していないから答えようがない」ととぼけ続けている。
 それで、まともに質問に答えろ、という民進党の主張に対して当の西川公也委員長が「石原大臣が答えているんだから質問を続けろ」といって取り合わないために民進党が退席した。
 民進党が欠席したまま自民党とおおさか維新等はこの委員会を続け、採決して、本会議につなげるつもりでいる。
 これが討論、議論ではないと確信する。自民党はもはや政党たり得ず。独裁集団なり。これでは中国共産党、あるいは北朝鮮労働党とどこも変わりがない。