日曜日のリモートゼミからまだまだいろいろな情報がもたらされている。
一番驚いたのはあの「マッカーシーの赤狩り」で知らない人はいないJoseph Raymond "Joe" McCarthyは1957年にわずか48歳で急性肝炎で他界していることだ。彼の写真を見ると、とても48歳の若さで死んだ人には思えない。もちろん当時の人たちは、今の同年齢と比べたら遙かに老けて見えるということはあるけれど、まさか50歳未満だったとは驚きだった。
あの赤狩りはアメリカ全土を震撼させたわけだけれど、アメリカ政府や軍の中に、多くの共産党員がいて、彼はそれらのリストを持っているとして、たびたびそのリストに多くの人数があると主張したという。しかし、その真偽の程は定かではなかったけれど、彼の主張は耳目を集めた。、ロナルド・レーガン、リチャード・ニクソン、ウォルト・ディズニー、ゲイリー・クーパー、ロバート・テイラー、エリア・カザンと云った錚々たるメンバーが告発者として協力していた。前から、「赤狩り」は何がきっかけで収まったのかについては何も知識がなくて、乱暴なムーブメントは自ずから沈静化されるものなんだろうとタカを括っていた。しかし、ジョー・マッカーシーを良く見ると、そうとは言えない可能性がある。
1954年にCBSのエドワード・R・マローがマッカーシーを鋭く批判する番組を作った。もちろん、マッカーシーは彼を赤呼ばわりして大きく非難する。しかし、これによって反赤狩り派は力を得たという。この辺を映画として描いたのが、なんとジョージ・クルーニーだそうで、『グッドナイト&グッドラック』というモノクロ映画になっているそうだ。さっそくネットで探している。それでも、【上院は1954年12月2日に、65対22でマッカーシーを「上院の品位を損ね、それへの批判を生む行動をした」とした譴責決議を採択した。】とウィッキペディアにも書かれている。それでも、アメリカ国内の世論は赤狩りを全否定したわけではない。彼への指示は常に過半数を超えていたというのだ。
ここまで読んでくると、今のアメリカのドナルド・トランプへの多くの白人たちからの秋波の送られ方、「Make America Great Again」への唱和の様子、バカとしか思えない「マスクなんて要らねぇよ!」運動の続きがなんとなく信憑性を帯びてくる。あのチャップリンを追い出し、ハリウッドを恐怖に陥れ、バラバラにした赤狩りが、今でもそのまま、表現を変えて、トランプによって引き起こされ、それが外から見ていると、こんな狂気が続くわけがないという思い過ごしに、警報を鳴らす必要を感じてしまう。
ちょっとこの辺をお誘いに乗って、掘ってみよう。
映画「グッドナイト&グッドラック」(05 米/0604 日本公開)