ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

世の中は前に動いている

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先日、ソーシャル・ワークの世界で働く若い人たちとZoomで2時間ほどお話に入れて戴いて驚いたことがある。
かつてはそんなこと想像もしなかったのだけれど、今ではそのソーシャル・ワークの世界についても、コミックが出版されているというのだ。
まさか、こんなところまでコミックで描かれているとは思わなかったから、本当に目の当たりにして「う〜〜ん」と唸ってしまった。
考えてみたら、これほどわかりやすい業界ものはないかも知れない。
それにこれまでだって医療業界についてのコミックだって、家庭裁判所のコミックだってあったんだから、医療ソーシャル・ワーカーの世界や、役所の福祉行政生活保護担当者の世界を描くコミックだってあって不思議はない。
ひょっとすると世の中は驚くほど情報が行き渡り始めているのかも知れない。

それにしては、その世界で活躍する人たちの生活実態は前に比して改善されている風にはとても思えない。
現実に生活を送る人たちと、その世界を司る政治の世界とが大きく乖離しているということなのだろうか。
こんなに苦労して、目の前に暮らす人たちのために様々な手段を繰り出す人たちが、なぜ依り希望を持てる生活を送ることができないのだろうか。
明確にシステム作りをする人たちが、そのシステムを動かす原動力となる人たちを念頭に置いていないということではないかという気がする。
20年前に感じた「利潤を追求する組織体」は人を念頭に置いて動くことはない、という疑問はまだ、全く手つかずに、そのままになっている。
しかし、そういう現場をコミックにして商売になるんだとしたら、ひょっとすると変わる可能性があるということではないかという気がしないではないが、この分野に関心を持っている人たちは、これまでだって、投票していたのではないのか。
突然、これまで全く投票なんて行ったってしょうがないと思っていた人たちが、この分野がコミックになっていたからこそ興味を持って問題意識をつかみ取るか、といったら、そこはいったいどうだろう。

ところで、なんでうちの区の図書館には、ピエール・ブルデューの「ディスタンクシオン」の1はあるのに2はないのか、今度聴きに行って見よう。