ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

産経抄 2022.08.01

カレンダーを一枚めくると、もう8月である。いつもならさっさとゴミ箱行きとなる「7月」の一枚が、なかなか捨てられない。あの「8日」さえなかったならば…。

安倍晋三元首相が、テロリストの凶弾に倒れたのはもう先月のことになった。森喜朗元首相が、その2日後に風呂場で倒れ、集中治療室に担ぎ込まれた話を1日発売の月刊正論9月号で自ら語っているが、「安倍ショック」で体調を崩された方も少なくないのではないか。心よりお見舞い申し上げる。

▼テロリストの定義は、さまざまあるが、「テロリズムを信奉する人」(デジタル大辞泉)がしっくりとくる。母親が常軌を逸した献金を続けた旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の信用を失墜させようという政治的目的で元首相を暗殺した容疑者は、れっきとしたテロリストである。

▼テレビのワイドショーやネット民の一部は、旧統一教会に深い恨みをもつ容疑者に同情的だが、90年前にも同じような現象が起きた。海軍士官らが犬養毅首相を暗殺した「五・一五事件」を裁いた法廷で、被告の弁明を朝日新聞は、「被告らの純真さと愛国の情」などと極めて好意的に報道したのである。

▼ほかの新聞も同様で、報道にあおられて全国で減刑嘆願運動が盛り上がり、被告は極刑を免れた。テロをも容認した「造反有理」の空気は、4年後さらに大規模な「二・二六事件」を引き起こす。

▼メディアが、事件を機に霊感商法などを指弾された旧統一教会と政界の関係を追及するのは当然だが、関連団体に電報を送ったり、選挙を手伝ってもらったりしただけの政治家まで重罪人扱いするのは、魔女狩りだろう。殺人者の境遇に同情し過ぎて、第二の山上徹也容疑者を野に放ってはならぬ。
産経抄 2022.08.01 産経新聞

こんなことを天下の大新聞がしたり顔で書いていたら大変に物議を醸すが、幸いなことに、これは「あの」フジサンケイ系の産経新聞なので、ほとんど問題視されていない。もはや産経新聞は全国紙とは名ばかりで、ネット右翼系の広報誌に過ぎない。月刊HanadaやWillとほとんど同様な扱いである。
 そうでなくては、「関連団体に電報を送ったり、選挙を手伝ってもらったりしただけの政治家まで重罪人扱いするのは、魔女狩りだ」はやっぱり、かなりやばい。霊感商法で知られ、数々のカルト行為で知られたグループへ絶賛電報を送ることは一種の詐欺だし、
選挙を手伝う行為をよく考えるべきなのだ。