ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

黃葉を尋ねて歩く

 結果的に今日の散歩は黃葉した銀杏を尋ねて歩く、ということになった。なにしろ銀杏の木は高くなるし、日当たりの良いところの銀杏はものの見事に黃葉を見せる。

 始まりはテレビで宣伝している「はま寿司」ってのに入ってみたいなという食い気。多分数年前に山梨の「はま寿司 フォレストモール富士川店」に入ったことがあるけれど、なにしろウチの近所には見当たらないので、思い立っていかないと遭遇しない。最も近いのかどうかわからないが、京成電車の「千住大橋駅」の傍にできた「ポンテポルタ千住」というショッピング・モールにはま寿司が入っているという。なんだ、この名前は?と思ったらなんとイタリア語の「ポンテ(橋)」と「ポルタ(門)」の組み合わせだってんですが、なんでイタリア語?三菱地所系列らしい。もうオープンしてから8年も経っているとは知らなかった。

 こんなところにこんな広い土地があったんだ!と前から京成電車の車窓から見ていたが、かつてのこの辺は【1903年に「日本製靴」(現「リーガルコーポレーション」)、1907年に「日本皮革」(現「ニッピ」)の工場】があったところのようだ。日本製靴の古い工場でバザーのような社員販売会だったのか、贔屓にしていたプレイン・トォーの黒靴を買いに来た覚えがある。IVY少年にとってはREGALの靴は憧れだったのだ。会社員だった頃は靴はここ、スーツは芝浦のオンワード樫山の社員販売だった。リーガルはもちろん中国に製造会社を作り、今や本社は千葉に移転。うまくいっているんだろうか。

 で、ようやくショッピングセンター。主要なところではスーパーのLIFE(これは家のすぐ傍にもある)、Nojima(これも近所にある)、くまざわ書店(これも)、餃子の王将西松屋、GU、マクドナルド・・・面白そうじゃないなぁと思ったら「ワークマン女子」が入っている!そして「はま寿司」!

 到着したのが11時半頃で、空いていたので思わずカウンターに座ってしまった。左はおばあさん。黙々と食べて(一人だから当然だ)去っていった。タッチパネルで注文、それが滑ってくる、だから目の前を寿司は流れていない。つまり回転していない。この時期だからだろうかね?テーブルにはお茶、醤油各種はあるけれど、箸が見当たらない。と思ったらテーブルの手前が引き出しになってんの!格好良い。わさびもここに入ってんの。カツオ、ビンチョウマグロ、生のエビ、ホタテ、そして炙り穴子。ま、良いんだけれど、タネは見事なまでに薄く、シャリは驚くほどのミニチュア寿司で、超柔らかい酢飯なのは高齢者向け仕様なのかな?ちょっと小腹の足しのつもりだから、これでおしまい。605円だった。つまり550円+税ってことである。ちょっと悲しかった。

 河原町稲荷神社のものの見事にきれいな黃葉を見せているイチョウ日光街道沿いの歩道の植え込みに驚くほどの銀杏をばら撒いていて、手袋と長靴と少バケツを持ってくればよかったというくらい。ざっと見繕っても店で売るくらいは拾えそうである。東京でも、中国人の人たちがいても拾わないんだろうか。ニューヨークでは拾っていたけれどなぁ。

千住仲町公園

 そこから千住仲町公園のイチョウに向かう。こちらも見事だけれど、月曜日の昼下がりに、人はだれもいない。とても落ち着いた良い雰囲気になっていて、まるで六義園にでも来たかの如し。細い道に出ていくと、いわく有りげな門があったんだけれど、その脇はつまらない塀だった。その先を曲がるとトタンの塀で、これはこれで味がある。その先へ出るとものの見事なイチョウが天をついている。氷川神社だった。

 ところがその手前、奥まった家の脇に「入場無料」「縁側で一休み」みたいなことが書いてある。吸い込まれるように入っていくと森閑として音もない。小さな花の写真を撮っていると、奥の座敷から「こんにちわ」という女性の声がする。
 ご説明によると、この辺に古くから尽力した「石出掃部介吉胤(いしでかもんのすけよしたね)のご子孫が大切に守ってこられた美しい日本家屋」なんだそうです。戦前の建物だったそうで、さっき見かけた曰く有りげな門はこのうちのもので、空襲で門が焦げた跡がそのままになっている。ここから西側は燃えたけれど、このうちは奇跡的に残ったというのだ。なかなかこじんまりとした仕舞屋で、隠居所にしたいような建物である。昔の実家を思い出す。縁側があり、一枚板の濡れ縁がある。庭へ出るところには靴脱石の頃合いの良いものが置いてある。他に誰もお客がいないので、その女性が案内してくれる。ところでこの家はどういう事になっているのか。いただいた冊子には「アートアクセスあだち音まち千住の緑」の文化サロン「仲町の家」だ、と書いてある。いろいろなイベントもやっているらしい。

千住氷川神社イチョウ

 日比谷線で帰ってくる。