ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

散歩

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千住大橋を渡る

 南千住まで出かけた。どうやら今日は各地で入学式があるらしく、小学校や中学校の新入生が親と一緒にオシャレをして歩いている。概ね服のサイズが合わずになんだかぎこちない。それでもお天気が良かったのは幸いだった。雨の入学式は悲しいもの。
 私の小学校の入学式は1954年のことだった。どこかにクラス全員が校長先生と、担任の四宮先生と映っている集合写真があるはずだ。ひと棟だけあった平屋の木造校舎の前だった。もちろん白黒の写真で、華やかでも何でもない。親はいたんだろうか。
 中学の時の入学式も平屋の木造校舎だった。そのあと説明会があったので母親が来ていた。高校の入学式は古い焼け残った戦前からの三階建ての校舎の講堂だった。500名くらいの新入生だったが親はいなかった。大学の入学式はもう覚えていないが、親が来るとは思ってもいなかったから来ていないはずだ。多分学校の中のホールだろう。そのまま学生証と襟につけるバッジを学生部で貰って帰った。
 二回目の大学の入学式はそれから32年後だけれど、学校の講堂だった。多くの新入生の親が、それも両親で二階にあがっていくのを見て驚いた。一体いつから大学の入学式に両親が参列するようになったのかと。新入生は650人近くいたはずで、その中に10名の、年齢は様々だけれど、社会人入試の新入生が混ざっていた。それが一堂に会した写真を講堂の上からカメラが狙って撮影したが、離れたところで両親が群がってそれを見ていたのを覚えている。
 かつての親はそれどころじゃなかったのだろうか。子どもが新しい学校に行き始めることくらいで付き合っている暇はなかったのかも知れない。

f:id:nsw2072:20210408020107j:plain:w360:left 歩いて北千住へ出た。千住大橋を渡って行くと、日光街道から離れて路地の中に果敢に入っていく。墨堤通りを渡ってどんどん路地へ嵌まっていくと、もう自分がどの辺にいるのかわからなくなる。えぇ〜い、ままよと、千住仲町公園の工事現場の横を入って公園を突き抜け、気持ちの赴くままに曲がったり突っ切ったりするうちに、実に見事な藤の花が民家の軒先に満開である。これには見とれてしまう。線路際に行き着いて、これならもう迷うことはないといくと、居酒屋の永見のあるあのごちゃごちゃ飲み屋街に合流するわけだ。かつての職場によりによってこの辺のアパートに住んでいた奴がいて、駅には近いし、食い物には困らないし、挙げ句に飲んだくれても家が近いといって喜んでいる名古屋出身者がいたことを想い出す。やつはどうしているんだろう。

f:id:nsw2072:20210408020214j:plain:w360:right もう今の北千住はあの頃とは大違いで、洒落た店が目白押しで、駅ビルのルミネやら、丸井やらの中に驚くような店が入っている。今日はとにかくここに入っている成城石井が目当てでやってきた。フランスのパンやPAUL'Sだって入っている。成城石井でコーヒー豆を買おうと、店員さんに「ここにはミルはあるの?」と聞くと、キャッシャーにいってくれれば挽きますという。お〜そういうことか。キャッシャーに向かって歩くと、途中でベーグルを発見する。わが家近辺でベーグルを売っているところなんてない。二個入りを思わず買う。あとは刻んだピクルスの瓶詰めだが、これはうちの近所のスーパーで売っているものと同じだった。東京では選択肢はないのかも知れない。コーヒー豆を挽いて貰うのだけれど、一番細かく挽いてくれと頼む。とても愛想の良いお姉さん店員さんが挽いてくれる。普通にペーパードリップ用にというと、多くの場合、ざらざら程度で、あっという間に落ちてしまう。私はしつこく時間がかかって落ちて貰いたい。うちに帰って、先日買った不味い安い珈琲におさらばする。