ほぼ足りてまだ欲 その先

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八雲町

北海道の函館から長万部へ向かう函館本線沿いに八雲町という人口1.5万人ほどの町がある。かつては噴火湾に面した町だったのが、2005年(平成17年)10月1日に旧八雲町と熊石町が合併して新八雲町となり、「日本国内で唯一となる太平洋と日本海に面する町」になった。
噴火湾側はホタテの養殖、日本海側はアワビの養殖で知られている。
 20年前の大学院での若い同級生の一人がこの街の出身で、どうやらこの町の落部(おとしべ)中学の生徒たちが見学旅行の一環で浅草に立ち寄り、「わが町の宣伝」をするらしいと連絡が来たから、彼らの宿泊先ホテルで久しぶりに落ち合った。COVID-19の間、ネット上のおしゃべり会でしかあっていなかった。奥さんとお嬢ちゃんとは初対面である。それでもFacebookで書き込んでいるものだから、ほぼ近況はわかっていた。彼はこの中学校の出身ではないけれど、彼のお陰で八雲町の名前は頭の中に入っていた。しかし、この中学の全校生徒数がわずか43名で、6クラスと聴いて今更ながら驚いた。東京みたいなところに暮らしていたら、そりゃ地方の状況なんて本当に想像力がなかったら考えつくことはないだろう。今回の馬鹿げた原発炉心溶融汚染水放流事件の影響で、想像もしなかった危機に直面するのはこうした養殖水産業で成り立つ地方都市だ。しかもこうした水産業はほぼ東南アジアからの技能実習生で成り立っており、日本の問題点の縮図のようになっている。都会で「支援」とかほざいて焼き魚弁当食っている場合じゃないのだ。