ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

当然の反応

 日本航空は今後の方針として国内外約50路線からの撤退を挙げている。しかし、地方からは「経営が厳しいからもうからない路線を切り捨てるというのでは国民の信頼を失う(井戸敏三知事:毎日新聞 2009年9月29日 兵庫版)」という批判の声が上がっている。神戸空港なんてものを作ったのがそもそもの間違いなんだけれど、それとは違って生活航路となっているところはいくらもあって、そういう地域でそんな悲鳴が上がるのは当たり前だ。
 しかし、利用者の絶対数が望めるかといったら誰がどう考えてもそんなことは期待できない。函館-奥尻の航路は双方の人口を考えたって、その二つのつながりを考えたって毎航満席なんてことが考えられるわけがない。それでも利用する人はいる。そういう人は奥尻から船に乗るしか方法がない。それでも船があるんだからまだ救われるというところか。唯一の航路がなくなればその便利さからも撤退せざるを得ないということになる。
 そうでなければ、赤字を垂れ流していくのか、ということになるけれど、それをずっとそのままにしてきたからここまで来てしまったということだろう。結論からいうと離島航路は別会社にしてやるしかないだろう。自治体が民間バス会社が撤退してしまった地域にコミュニティバスを走らせるような発想しかやりようがない。それこそ一日一便もしくは二日、三日に一便しか飛ばないけれど、なくなってはいないというやり方だ。
 欧州に行くと確かにこの田舎町と都会の駅との間にパブリックの交通はあるのだけれど、水曜日と土曜日に一往復だ、というようなところに結構出会う。こうした方式しかないだろう。地方自治体からの陳情に与党議員がくっついて歩いて運輸省の役人を脅かして継続してきたやり方はもう通用しないもの。
 それこそ至近の静岡富士山空港ではないけれど、この狭い島国に90を超える飛行場があること自体が大間違い。運輸省が地方出身の自民党議員と土建屋に振り回されて波風を立てずにやろうとしてきたことが間違いの元。「いつかどうにかなっちゃうだろうけれど、その時には俺はもういないよ」方式はこの種の話にはとても有効だった。自民党陳情政治の真骨頂だ。誰がここまで放置してきたのかといったら、そんなやり方でもおかしいと思わなかった私たち「世界に誇る」日本人だよ。