ほぼ足りてまだ欲 その先

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知らなかった台所

 何年も前にそのジャーナリズムとしてのスタンスにおおいに違和感を持って、独立してからずっと購読を続けてきた朝日新聞をやめてしまい、東京新聞に乗り換えた。それからほとんど朝日新聞に関連した読み物はたまの朝日新書くらいのもので、ほぼ手にしてこなかった。

東京の台所2 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]


 これはどこで知ったのかもう忘れてしまったけれど、ネット上で知った本だ。「東京の台所」は2015年の出版で、あとがきに5年前から始めたと書いてあるから、始まりは2010年頃なのか。朝日新聞デジタルのMagazine [and] &Wなるサイトで連載されてきたものだそうで、これは今でも続いていて先月末の回が291回目とされている。
 なかなか面白い趣向で、とにかく募集して台所をカメラ取材させてもらって、話を聞く。岸政彦編の「東京の生活史」に近い雰囲気があって、年齢とその人の現況とこれまでの人生的な聞き取りが面白い。人は名前と顔が出ないということになるとこんなにも語ってくれるものなのかと不思議だ。

 二冊目は2022年の出版で、「その後の喪失と再生」がテーマになっているという。以前に取材に答えてくれた人たちのその後に触れている。不思議な展開で、前著は平凡社からの出版だけれど、これはなぜか毎日新聞出版から出ている。
 この間にやはり平凡社から「男と女の台所」が出版されているそうだ。

 他人の人生を知るということはとにかく興味が尽きない。こうして知ってくると、大過なくここまで来た人生に感謝しなくちゃならんと思うよ。

今日の蔵前・ミモザ