ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

そうかぁ、見られたいんだ

糸井重里TBSラジオトーク番組を持っているんだけど、聴いたのは今日が初めてだ。もちろん録音なんだけれど。
その中で、人間は何事も人に見られたい、注目されたいからこそいろいろなことをするんだよ、という。そうなんだよね、じゃなきゃこんな日記を公開していたりはしないわけだよ。

街を歩いている時も、別にどんな格好して歩いていたって良いわけなんだけど、じゃ、上はこんなシャツにしていると今風だったりするかも知れないし、なんて考えて家を出る時には、誰かに見られると云うことを前提にしているわけだ。
実はもし何かの事件に巻き込まれたとしたって、自分のアリバイを証明することができないくらいに、誰も見ていないのに。
こうしてみると何とも生産性のないことに費用をかけているわけだよね、人間というものは。


会社を辞めて未だ一年経つか経たないかの頃、大学が春休みの時だったと思うのだけれど、大手町の政府刊行物販売所にいった帰りに、28年働いた会社の前に通りかかった。会社の前から見覚えのある社員が出てきた。私よりも数年若い奴だった。
彼と二言三言話して別れたが、後で彼が「みすぼらしい格好で歩いていた」といったと人づてに聞いた。
とてもむかっ腹が立った。
今だったらそれを喜んだかも知れない。
しかし、それ以来ユニクロでも良いから真新しいものを身につけたいと思う様になった。


人はいつでも、誰かに見られていたいと思っているのは確かだろう。
そして、このことに関してはその辺の人には負けない、確かに自分以上にレベルの高い奴はいるにしても、一般的レベルからすると相当に上にいる、というフィールドを持ちそれにこだわって暮らしていきたいと思っている。
それが例えば、コーヒーの淹れ方一つであったとしても、ご飯を食べるための道具であったとしても、納豆の豆の種類一つにしても、それに造詣が深い、そんな自分が大好きだ。
なんてことのない、そんじょそこらに平気でいて、目立たなくて、誰も別に興味を払わない、そんな人間な筈なのに、やっぱりそれじゃ我慢できない。