ほぼ足りてまだ欲 その先

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鋼製橋梁談合逮捕

 ついに逮捕者が出た。Web上でしか各マスコミを比べることができないのがもどかしいが、マスコミによってその姿勢が異なる。まず、逮捕された個人名を明らかにしている社と職位と年齢のみを明らかにしている社に分かれる。
 個人名大公開の急先鋒というのがなぜか産経新聞だというのが考えさせる。テレビジョンはさすがにニュースも画面がいるからか、未だ逮捕前(取材時点)の人に対し、コメントを求める始末。

  • FNN(フジテレビ系):横河ブリッジ理事・(実名)(59)、栗本鐵工所営業本部長・(実名)(55)、石川島播磨重工業・(実名)(49)、宮地鉄工所・(実名)(55)「あったとかないとかそれは調査結果に基づいて判断されるので、我々が申し上げることはない」、JFEエンジニアリング・(実名)(54)「一切ノーコメントです」ひとことだけ・・「いやです!」、
  • TBSテレビ:横河ブリッジの橋梁営業担当理事・(実名)容疑者(59)をはじめ、宮地鉄工所の部長・(実名)容疑者ら、談合組織「K会」の幹事会社の担当者。さらに、「A会」の幹事会社、川田工業元執行役員・(実名)容疑者(58)らで、逮捕者は14人に
  • NNN(日本テレビ系):(実名)容疑者(59)や「川田工業」の(実名)容疑者(58)ら14人。逮捕者は全員容疑を認めているという。
  • ANN:横河ブリッジの営業担当理事・(実名)容疑者(59)、栗本鉄工所の営業本部長・(実名)容疑者(55)ら11社の幹部14人
  • 産経新聞横河ブリッジ(東京)橋梁営業本部総括部長、(実名)容疑者(59)、橋梁・鉄骨メーカーの川田工業(富山県南礪市)前執行役員、(実名)容疑者(58)、大手総合メーカーの三菱重工業(東京)橋梁部次長、(実名)容疑者(54)石川島播磨重工業橋梁営業部長、(実名)容疑者(49)、松尾橋梁営業部部長、(実名)容疑者(46)(共同)(05/26 17:59)
  • 朝日新聞は個人名を記載していない。
  • 読売新聞は個人名は「横河ブリッジ橋梁営業本部総括部長の(実名)容疑者(59)」のみ。
  • 毎日新聞は15:07の時点では「横河ブリッジの現社長の原田康夫氏」の名前は出しているが、当の逮捕者の名前は出していなかった。しかし、その後のニュースでは:横河ブリッジ理事(59)▽同社橋梁営業本部次長(42)▽川田工業元執行役員橋梁事業部東京営業部長(58)▽同部長代理(56)▽石川島播磨重工業橋梁営業部統括部長(48)ら10人。告発されなかった3社では▽三菱重工業鉄構建設事業本部橋梁部次長(54)▽川崎重工業鉄構営業総括部長(55)▽同部橋梁・水門営業部長(49)▽松尾橋梁営業グループ東部橋梁営業部長(45)の4人。幹事社でほかに逮捕されるのは▽宮地鉄工所営業本部理事・橋梁営業部長兼調査業務部長(55)▽JFEエンジニアリング鋼構造事業部橋梁営業部長(54)▽東京鉄骨橋梁執行役員橋梁営業部副本部長(61)▽栗本鉄工所東京支社鉄工事業部営業本部長(55)▽高田機工東京営業部営業部長(56)と会社名と役職名、年齢を明らかにしているのみ。
  • ロイターが東京発として経団連奥田会長の総会後の記者会見でのコメントを伝えている。「今回のようなケース(橋梁談合)や不祥事がなくならないのは、会長としては非常に遺憾だ」「同時に日本の経済や政治は、大きな激動期にある。こうした激動の中では、こうしたもの(談合や不祥事)をすぐに絶滅するのは難しいのではないか。時代の変化の中で(談合や不祥事が)起こってきているので、我慢比べになる」「経団連としては、談合などが起こらないように対応していくが、正直に言って、(談合などが)絶滅できるとは思っていない」

 この談合は何十年も続いてきているのだが、奥田様によると「日本の経済や政治の大きな激動期」は何十年も続いているということになる。そりゃまぁ、バブルになったり、それがぶっ飛んだり、未曾有のデフレに陥ったり、それはそれは激動期ですなぁ、確かに。
 尤も「談合が明らかになった場合、国に課徴金を納めさせる仕組みだが、課徴金の額は、違反対象となった受注額のわずか6%」でこれを改正しようとした時に経団連は圧力を掛けてこれを廃案に追い込み、その結果献金対象の自民党の点数をこれを評価対象として示したほどだと2005年5月25日(水)のしんぶん赤旗が告げている。
 この件に関しては毎日新聞はこう解説している。

(2005年5月24日東京朝刊) 改正独禁法が4月に成立し、来年1月に施行される。この独禁法改正に対して日本経団連は、理不尽と思えるほどの抵抗を示した。公取委は当初、大企業の談合・カルテルに対する課徴金を現行の6%から3倍の18%に引き上げる方針だった。談合は割に合わないという認識を日本の経済風土に定着させるのが目的だった。日本経団連の抵抗でそれを2倍の12%に引き下げ、さらに10%に引き下げて、ようやく法案の国会提出にこぎつけた。今回の鋼鉄製橋梁談合をみれば、日本経団連は談合の温存を主張していたことになる。与党は、その日本経団連の了承を法案の国会提出の条件としていた。与党もまた、談合の温存に手を貸した。
 業界のみならず役所、経済団体、与党にも、談合は悪という意識は薄い。来年1月の、弱過ぎる改正独禁法施行後も談合は続くだろう。そうした風土を変えるために、さらなる独禁法強化、公取委の体制強化を急ぐべきだ。

 ということは、経団連がみずから独禁法の刑罰を潰しておいて「正直に言って、(談合などが)絶滅できるとは思っていない」といっているわけで、場によって使い分けるという器用さを十二分に発揮しているといえる。
 驚いたことにテレビに映った人の中にかつて見たことのある人がいた。全く口をきいたこともないし、挨拶すらしたことがないけれど、確かにあの人だ。ただし、私は自分より彼の方が年上だとばかり思っていた。
現在の談合組織で各社を代表しているメンバーが逮捕されたということだろう。そしてオーガニゼーションチャートが出てしまった以上、いくら否定してもしょうがないということで容疑を認めているのだろうか。ここまで連絡ができていると考えて良いだろう。各社の広報はどのように対応しているのだろうか。