ほぼ足りてまだ欲 その先

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Steve Irwinのお別れ会

 オーストラリアでは知らない人がいないと断言して良いだろう、けれども日本では全く知られていないし、ほんのちょっとニュースになったのも、オーストラリアでなんでこんなに大げさなイベントになっているの?という驚きから取り上げられているのかも知れない。
 スティーブ・アーウィンは享年44歳。妻と二人の子どもを残した。私が在豪中には既に彼の番組はしょっちゅう流れていたし、朝のワイドショーなんかにもしょっちゅう顔を出していたが、どうしてそんなに平気でワニを相手できるのか不思議でしょうがなかった。それに加えて、なんでこいつはこんな危険なことを平気でやって見せ、それをみんながよぉ〜すごいなぁともて囃すのかがよく分からなかった。とかくオージーは「He's a man!」と昔の日本で云えばバンカラとでも云うような風習を「強い男」「男らしい男」として素晴らしいこととして評価する。
 ところがスティーブ・アーウィンはそれとはちょっと違う。動物たちはこんな具合に親しくすればできるもnなんだとなんの問題もないんだと思えるように見えてくる。その点では畑正憲に近いものがあるといえばあるが、あのおじさんのように歯はガタガタで、麻雀ばっかりやっているのとは違ってとても精力的に動き回る。クイーンズランド州のサンシャイン・コーストにAustralia Zooという動物園を開いていて、彼の死から2週間である9月20日にその動物園で5000人のファンを集めて追悼式が行われた。その様子は全豪の三大ネットとラジオが生中継し、クイーンズランド州シドニーのハーバー・ブリッジに立っている大きな旗も半旗となったという。セレモニーにはジョン・ハワード首相も出席して彼を称え、スティーブ・アーウィンの8歳になる娘ビンディが父親の大きな写真の前で父を慕う言葉を読んだ。"my Daddy was my hero" 父親にとってはこれ以上の言葉はないだろう。「そして私が必要とした時にはいつもいてくれた」と続けた。スティーブの人となりが分かる。スティーブの父親、ボブは「皆さん、スティーブのために悲しまないでください、動物たちのために悲しんでやってください、彼らは最上の友を失ったのです」と語ったという。キャメロン・ディアスケビン・コスナーがビデオ・メッセージを寄せた。
 ところで、米国のNBCは海洋探検家のジャン・ミシェール・クストーの言葉を引用している。それはスティーブの環境に対するメッセージに対しては充分に敬意を払っているものの、豪州で非常に肯定されている自然に暮らす動物たちにむやみやたらと踏み込んでいって接触する風潮に強く反対を表明するというものである。素人受けはするかも知れないが、自然は触るものではなくて、見守るものだ、と言うのである。あ、それだ、私が妙に違和感を感じたりするのは。