ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

歩くと金を遣ってしまうのだ

 昨年の11月に受信した健康診断の結果を聴きに行くのを忘れていて先日思い出したんだけれども、いつでもいけると思うとなかなか腰があがらない。昨日はほとんど歩いていないので、重い腰を持ち上げて聴きに行く。別に問題はなさそうだけれども「あなたはビールが好き?」「ハイ!」「尿酸値が上がり気味だから気をつけてね」という会話は結構ショックだ。どうしてもビールは旨いんだものなぁ。ちょっとセーブして焼酎に移らないとダメかなぁ。それならばと今日はちょっと歩かなくてはと、そのまま出かけるが外にいるとどうしてもお金を遣ってしまいそうで怖い。友達から頼まれていたものがあったのと、iPodの最新世代のものがいくら位するのか知りたかったので、有楽町の量販店まで行く。探しに行ったのはAC/DCアダプターだったのだけれども、そのお店の一階フロアーにいた女性にお伺いしたら多分得意部門が違うんだろうけれど、「AC/DCアダプター」なるものがどんなものかご存じなくて説明するのに結構苦労する。それでも結局男性の方を呼び止められて解決。しかし、こういうお店を選んだ私が間違い。こういうところは多分完成品を売るところなんだろう。
 それにしてもオーディオ売り場を通りかかって驚いた。LUXMANのユニバーサルプレーヤー DU80なんてものは単体で567,000円もするんだ。これにマッチするシステムを一通り揃えたら、いったいどれほどの金額になるのだろうかと思うと知ってみたいような、そんなもん知って一体全体なんの足しになるというか。というわけで、それ以上探らない。iPodの80GBはと見るとアップル・ケアを入れたりしたら約5万円。ポイントはその半分もない。というわけで涎をたらしながら外に出る。
 またまたいつものルートで交通会館の三省堂に入る。宇都宮大の修辞学、香西秀信の「論より詭弁 半論理的思考のすすめ」光文社新書2007.02.20を発見。つい手にしてしまう。先日買い求めし「議論術速成法」も未だ読破していないというのに。小学館文庫の「記憶の光景・十人のヒロシマ 」江成常夫を捜すが見つからず。店内の検索端末で捜すと「在庫ゼロ」。さればと店を出ていつものコースを辿る。そうそう、昔からずっとビルの壁に掛かっている古い看板のあるビルの前を通って名前を確認する。随分歴史のある集合ビルである。これは相当に手練れのものの集団であろうと思わせる。八重洲ブックセンターの前まで来る。この時相当に空腹であるが、とうとうその空腹感を凌駕する。面白いもので、ここまで我慢するとそうした煩悩は払拭できるようである。いつもの鮨屋に飛び込んでしまおうかという誘惑にも駆られるが、それでは外に出たら金をすぐ遣ってしまうと云う自分の性(さが)を自らの規制下におくことができないというなんということのない、ただ単なる自堕落な時間となってしまう。ここが勝負所であると肝を定め、ブックセンターに突入。
 文庫売り場に一直線にあがる。途中でぶらぶらするときっとまた誘惑に駆られるのだ。すると、小学館文庫に目指す江成常夫を発見。彼はもともとカメラマン。戦争花嫁を追ってカリフォルニアを取材した記録を発刊し、それに掲載した人たちをその後再度追いかけるという地味でいながらなかなかできない仕事を仕上げたことで知られる。しかし、この本を手にしてみて、ひょっとして2005年の発刊本だとするとどこかで見たような気がしないでもないという気がしてきて、一度家に帰って書棚を点検してからまた帰ってきても遅くはないだろう、とそっとおく。
 ちくま文庫のところに来てしまった。やばいなぁという気がしないではなかった。見つけてしまったのは中山元の「思考の用語辞典―生きた哲学のために」の文庫版である。最初のところをあけて読み始めてみるとやたら砕け口調で書いてあるので読み進んでしまいそう。しかし、多分、この本はそう簡単に絶版になることはないのではないか、いつかひょっとしてお金が手に入ってからでも遅くないかも知れないという理由を勝手につけて平積み台に戻す。ところが、何歩もいかないうちに「天皇百話」〈上・下〉鶴見 俊輔、中川 六平 (編集) ちくま文庫1989の復刊を見つける。う・・む。782頁、830頁である。どうする?いやいや、ここでまた誘惑に負けてはならない。折角復刊したんだから、まだしばらくは入手可能だと希望的推測を下す。目をつぶるようにしてこれまた戻し、そそくさと脇目もふらず一階まで直行し、早足で地下鉄に向かう。ここまで地下鉄の往復で350円遣っただけだ。良いじゃないか、と思った途端に空腹を覚える。そうだ、駅から家までの間に250円の弁当屋があった。家の冷蔵庫には昨日のほうれん草と椎茸の炒め物も残っている。そんなわけでメイクイーンの煮たものが4個もごろっと入った250円弁当を求める。そうそう、通りかかったレンタルビデオやさんで先日借りたのに傷があって動かなかったDVDのちゃんとしたものが店頭にあったので、先日払った分で借り出す。「東京裁判(前編・後編)」小林正樹監督、ナレーター:佐藤慶である。ついでにそのただ券でサザンのCDも借りた。