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労働基準法違反

外国人実習 最多1209カ所指導 2006年法令違反 朝日新聞2007年07月03日02時36分
 低賃金労働などが問題になっている外国人研修・技能実習制度で、残業代の不払いなど労働関係の法令違反で労働基準監督署が2006年に指導した事業場数は前年比65%増の1209カ所に上り、過去最多だったことが2日、厚生労働省のまとめで分かった。実習生が受け入れ先の法令違反を訴えた申告件数も同84%増の232件で過去最多。実習生の労働環境が改善されていない実態が浮き彫りに。

 「研修」「実習」ビザの存在はこの制度を作った時から製造現場での外国人労働者の低賃金労働を促進する制度であることは今更厚生労働省がこうした数字をだす前から関係者は充分にわかっていてそれを巧い具合に使っている。被害者は日本人ではなくて外国人だから、ま、わかんないからいいやという具合に改善されることもなく、むしろそれまでの合計2年間という期限を雇用者側からの要望で3年に伸ばしたという経緯がある。これと労働者派遣法の改悪によって製造業の現場にまで派遣労働を認め、挙げ句の果てに偽装請負がこれだけ普通の言葉として理解される状況になっても、雇用者の側だけに立っている与党の政策の中ではピンハネされる被用者のことなんて考える気にもなってはいない。「研修」「実習」ビザ、日系人ビザ、そして労働者派遣法はそうした雇用者のやりたい放題を薦めている小泉から安倍につながる財界ヨイショ政権は改善する気なんて全くないのは明らかだ。
 グッドウィルの折口はコムスンの謝罪会見の時に日雇い派遣労働者から文書上は任意としていながら実際には強制的にとり続けてきた「データー装備」について返却すると言明した。しかし、その後あまりにも傲慢にもそんなことはしないと手のひらを返し、グッドウィル・ユニオンを構成している日雇い派遣労働者を馬鹿にする。6月24日(日)24:50放送の日本テレビNNNドキュメント’07  "ネットカフェ難民2 破壊される雇用"」の中で臆面もなく「それはしません」と答えるグッドウィルの声が電話から流れてくる。グッドウィルはその後も否定的な動きをしていたが、とうとう2年間分に限って返却に応じるというスタンスを取るに至った。日雇い派遣労働者全員から返却請求が来たら44億円も達するという。一回200円の積み重ねは凄い。
 それにしても集合場所への集合から実際の仕事をが始まるまでの時間の拘束、交通費、といったものを全て無視してきている、そんな集団がミッドタウンだ六本木ヒルズだと洒落たオフィスに事務所を構えているということが現実なんだということである。
 あの番組では多分今やグッドウィルは叩けるという状況の中で対象はグッドウィルに集中しているが、あの番組の中で集合場所で集まってくる人たちに聞くと、必ずしも一緒に働く日雇いは一社からだけの派遣ではなくて、フ○キャストやその他の派遣会社からの日雇い派遣労働者も入っていたんだから暗に日雇い派遣をやっている人材派遣会社はみんな同じだよ、といっていると取って良いだろう。
 つまり、「研修」「実習」ビザ、日系人ビザは外国人相手の、そして労働者派遣法は日本人相手の「タコ部屋労働法」であることは明らかで、こうした状況を厚生労働省は「調査してみてから」だなどと悠長なことをいっている場合じゃない。トヨ○だとかキャ○ンといった企業の現在の繁栄がこうした「タコ部屋雇用」によってもたらされているのだとしたら、私たちの社会はリンカーンが解放した奴隷システムを今でも堅持しているというグローバルに(好きだろうからね、こういう言葉が)恥ずべき後進国家ではないだろうか。そんなシステムをごりごりと進め、グローバル化に対応した経済の立て直しだと言葉をすり替えてここまでやってきたような大臣をまたまた教授として双手をあげて受け入れた東京都港区三田の私立大学は大いに恥を知るべきであると確信をする。
 しかし、「与党」だとして悦に入っているように見える連合政権のカウンターパートの皆さんはこの現実をどの様に総括するつもりなのだろうか。これもまた頬っかむりをして通り過ぎるのを待つのだろうか。あの耐震偽装の時のように。
 残念ながら「グッドウィルユニオン」のブログはamebablogがメンテに入っているようで本日未明にはアクセスができなかった。