ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

研修・実習ビザ

 昨日の朝日新聞にシリーズ「在日華人」第4部列島街村という記事が載っていた(こちら)。そもそもこういうシリーズを朝日新聞が連載していたことに気づいていない。どうやら今年の2月から始まっているようだ。多分、GWだからこその扱いの大きさで、一面と三面に分割されて掲載されていた。なんだか外国の新聞の記事の掲載の仕方のようだ。それにしても昨日の新聞はめったやたらと一面広告の連発で、如何にも広告主が減ったものだから数で稼ごうと広告掲載料を下げたんだろうなぁと予想させる。テレビだって、なんだか見慣れないコマーシャルだなぁと思ったら形成美容外科の広告だったりする。かつてだったら夜中じゃないと流れなかったような広告だ。なんだかマスコミが捨て鉢になっているような気がする。
 そんな話ではなくて、その記事が「攻めの農業 実習生に依存」というもので、いわゆる研修生ビザ、実習生ビザの問題である。ここの所派遣を含む非正規労働者の理不尽な扱いの不当性を告発する方向にマスコミが動き出していて、焦点が当たっている。
 しかし、その反面で、研修生・実習生の問題についてはひと頃ほどは取り上げられていない。
 この研修生・実習生の存在なくしては各地の労働集約産業はもう成り立たなくなってきている。しかし、これは体の良い搾取労働以外の何ものでもない。私たちがより安いものを求め続ける限り、製造現場はどこかで安い賃金で働かすことのできる労働力を求め続ける。
 このシステムもまた「派遣」や「請負」という企業からの要望で永田町と霞ヶ関が国民の目をだまくらかして正当化してつくった労働者を叩いて運営していくためのやり方のひとつ。ここでも取り上げられているけれど「もう日本人はこの仕事をやりたがらないし、パートのおばさん達は労働時間が安定しないからやりにくい。それでも安く働いてもらわなければ売れる値段にならない、消費者は買ってくれない。」というわけでこうしたシステムを取り入れざるを得ないのは消費者のせいだといわんばかりに、「風が吹いたら桶屋が儲かる」論法で、このシステムが必要だという説明にいたる。
 このシステムでトラブルとなった時、いや、トラブルとならなかったとしても、この制度は外国人労働者を対象としている。だから大きな声に高まることが少ない。GWのさなかだからこれだけの扱いになるのだろうけれど、そうでない状況下でも、この問題はしつこく取り上げて行かなくてはならないはずだ。あ、これも厚生労働省マターである。あの役所を統合したことに本当にメリットが出ているのだろうか。無理なんじゃないだろうか。それともただ名前が一緒になって大臣がひとりになっただけで、中身は統合前と何ら変わっていないんだろうなぁ。あれをやったのは誰だっけ?