ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

旨いっ

 鮨処すゞ木(東京都板橋区南町34-7)にいつもお世話になっている方に連れて行って頂いた。実はこれが2回目である。初めてお伺いしたのはそろそろ3年前にでもなるだろうか。実に美味しい江戸前の鮨である。お仲間はほとんどお呑みにならない方ばかりで、どうもひとりで吉乃川の生酒の2合瓶をやっつけてしまったようだ。座るや否や盆にはトコブシの煮物。トコブシといえば連れあいの親戚の下流(したる)へ真夏に行って大皿に山盛りでいただいてからというものごく普通に喰えるものと思っていたのだけれど、この35年の間にあっという間になかなか食べられないものになってしまったという感じである。次はジュンサイで、これがまた生まれて初めて口にしたのが30年ほど前になるだろうか。これまた大人になってからはじめて頂いたつまみだった。あれは根津だったか。そしてなんとまぁ繊細なモズクなんである。これがまた口に含むとしっかりとしゃきしゃきしているのが嬉しい。あとからあとからドンドンと戴くものがそれぞれしっかりと仕事をしてあるネタの握りで、こっちの口がさぁさぁと催促をする。シンコから光り物のオンパレードなんてなんとまぁぜいたくな。それでいて江戸前にこだわりながらも期待に応えて秋刀魚を握って頂けたのには感謝だ。普通、本流のお鮨やさんでは握って頂けない。今頃の秋刀魚は脂がのりすぎていなくて丁度良いというお話だった。
 おかみさんは相変わらずお元気で、なんだか昔の海老一・染太郎・染之助を思い出すような合いの手が健在である。そういえばここのお店には恵子・好江のどちらかが来られたなんて話もお伺いしたものだ。実はこちらの旦那は相当名の知られた方なんだそうで、ちょっとこの店の名前を検索するとぞろぞろとあたる。
 池袋まで歩くと(私の足では)結構な距離なんだけれど、途中でみんなでお茶にする。この位になると酒が醒めかかりの状況で私は相当にまた饒舌になってしまうところが良くないなぁ。江戸前の造りがしっかりしてある鮨を戴くと塩、酢がしっかりしているから水物がまた美味しいのだ。うちに着いてからころんと寝てしまうが、やっぱり喉が渇いて眼が覚め、水が旨い。
今日のここのお話はちょいと前に決まっていたんだけれど、朝方先輩が名古屋から電話をしてきて京橋に行かないかという。先約があって、また今度にといったのだけれど、こんなことってあるんだなぁ。あっちとこっちの鮨の誘いというわけである。
 ご案内を戴いた方から沖縄のお土産で戴いたものが、なんと「不良長寿」と画かれた手拭いである。私はあくまでも「不良」ではなくて「良」だから、これは私を表すものではないというのが私の結論なり。なんせ身体が弱くて、これでは長生きはするまい。