ほぼ足りてまだ欲 その先

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NHK-TV 証言記録 兵士たちの戦争

 今日から、この夏集中的に放映された戦後62年に語る太平洋戦争の記憶が再放送されている。今日は西部ニューギニアのジャングルに孤立し、その大半が飢えと病で死亡した陸軍歩兵第221連隊の元兵士の証言から、ニューギニア戦の苛酷な実態を描いた「西部ニューギニア・見捨てられた戦場」であった。実は夕食後すぐに眠気に襲われてねてしまい、ふと眼が覚めてその後半を音だけ聴いていた。
 221連隊は千葉県の佐倉で編成されたようだが、西部ニューギニアに派遣された全兵力3300名のうち、生きて帰ってきた兵はわずかに300名である。1946年の5月に帰還した兵のうちのひとりが言うには、復員した当初は「なんだか恥ずかしくて半年ほどは外に出られなかったんですよ。それでも何人も“還ってきたのかぁ!”と寄ってくれたけれど、そのうち、“なんだ・・還ってきたのかぁ”というニュアンスに変わっていった」というのだ。他の多くの出征兵士は死んでしまっていたからである。BC級戦犯として刑に服した元将校が番組の最後に「戦後62年の間にあの戦争を正面から向き合って見つめることを私たちはしてこなかった。これを怠ったままにしておくと必ずや将来に似たような事態に遭遇することになる」と警告する。連合軍がニューギニアを超えてフィリッピンに大挙して向かうのを見て「ここは天然の捕虜収容所なんだなぁ」といったという元兵士の言葉、あるいは「良かろうと悪かろうと、本当に戦争はやっちゃならないんだ」という言葉を私たちは心に刻まなくてはならないだろう。先の参議院選挙で自民党から当選したあの佐藤議員は彼らの言葉になんと応えるのだろうか。