ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

テレビ

 昨日のTBSテレビの「報道特集」を呑んだくれていて見過ごしたのだけれど、今日何気なしにBS-iを見ていたら再放送をしていた。旧国鉄ーJRが新幹線を作るとともに並走する在来線の不採算部分だけを切りはがして地元に押しつけることによって結果的に新幹線が、その中心たる東京に何もかも持って行かれてしまうことを取り上げていた。
 長野新幹線ができて、佐久平駅が全くそれまで田圃の平地だったところに作られ、小諸はそこから外れて、しなの鉄道になった。横川と軽井沢の間は碓氷峠を登るための鉄道のリニューアルはメリットがないということにされて分断されてしまった。横川から軽井沢に行くには安中まで戻って新幹線で行くか、バスで行くか、誰かの車で行くしか方策はない。今でもそうなのか分からないけれど、以前の情報ではこのバスはジェイアールバス関東・小諸支店が運営していて上り、下りそれぞれ一日に七本。片道料金は大人500円である。(私はこの情報を安中市のサイトから見付けたがJRバス関東のサイトでは見付けられなかった。→追記:見付けられなかったはずだ。JRバス関東にメールで質問をしたらサイトにはアップしていないのだそうだ。)そして軽井沢から始まる「しなの鉄道」は篠ノ井で終わる。そこから先はJRの路線なのである。だから当然儲からない。長野県からは民営化された時に発生していた債務の放棄をして貰った。これが何を意味するのかといったら税金をここに突っ込んでどぶに捨てたということだ。取り残された小諸の街はどんどん営業している商店が減っている。目に見えて減っている。全く人が来なくなったのだ。北国街道沿いのおもむきのある街並みの保全はあるものの肝心の駅前の通りがガラガラだ。
 九州に新幹線が部分開通してから阿久根を通っていた鹿児島本線の八代〜川内間を熊本県、鹿児島県、日本貨物鉄道株式会社、八代市阿久根市水俣市、出水市、芦北町、薩摩川内市津奈木町が出資して構成された「肥薩おれんじ鉄道」になっている。だから以前は鹿児島から阿久根に行くには鹿児島本線の特急一本で行くことができたけれど、今では川内で乗り換えて1時間に1本くらいしかないこの三セク線を利用することになる。川内から南へ下って鹿児島に至る在来線部分はそのままJRで残ったままである。こちらも平日昼は1時間1本くらいだけれど、朝夕の通勤・通学時間帯には3-4本走る。まだどうにかなるところはJRは渡さないのだ、といっても良いらしい。これでは巧くいくわけがない。こうしたことをそのまま官僚が考えるままに展開していってしまうのがこの国のお粗末なところだ。
 こうした鉄道はあちこちにあって、以前旅にいって乗った三陸鉄道は北は「久慈」から終点の「八戸」まではJR八戸線でそのまま。「久慈」から「宮古」へ北リアス線が南に下るとそこから先はJR山田線になっていて「釜石」にいたり終点になる。そして「釜石」からはJRが釜石線となり、三陸鉄道南リアス線が海側を走って「盛」に至る。なんでこんな細切れになっているのだろう。資産として払う金がないからなのか、それとも美味しいところだけをJRが渡さないということか。地方は「民営化」の言葉に欺されて、どんどん切られてきたというのがこういう状況をいうんでなくて、どれをいうのだ。