ほぼ足りてまだ欲 その先

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責任

 川内原発の再稼働について経済産業省大臣から鹿児島県知事に当てて今月12日付で送られた文書がネット上にアップされていた。
 どんな文書なのかと思ったらなんということもない、空約束文書で驚いた。「九州電力株式会社川内原子力発電所の再稼働へ向けた政府の方針について」というものだ。多分経産省のサイトにあるのかもしれない。
「今なお、国民の皆様の中に原子力発電所の再稼働について不安の声があることは承知しています。こうした現状から決して逃げるのではなく、正面から向き合い、立地自治体等関係者の皆様をはじめ、国民の民様の理解や納得が得られるよう、丁寧に説明を尽くして参ります。また、万が一事故が起きた場合には、政府は、関係法令に基づき、責任をもって対処いたします。」
 まったくこういう文章を文字があっても意味がないということなんだろうなぁ。そもそもこの政府があっちでもこっちでも使い回している「丁寧」とか、「正面から向き合い」とか嘘ばっかりで、一度もちゃんと説明なんてされたことはない。「しっかりと」とか「完全に」とか、全くやらないことをでれでれと、ダラダラという。ま、世の中のなんの役にも立たない私如きの発言と次元的には全く変わらないや。
 何よりも仕掛けてあるのは事故が起きた時は政府は「関係法令に基づき」責任を持つってところで、この関係法令がいったい何なのかわからないうえに、国民に対しては「絶対に安全」と説明してきたくせに、いざ事故が起きたら、電力会社にとっては全く腹の痛まない「関係法令」ができあがっている上に、福島の事件以来、どんな事故が起きても誰も捕まりゃしないし、責任を取ることもないという前例がしっかりできあがっているって実績だ。
 これでも、原発を再稼働してもなにも問題がないと国民を思い込ますというええかげんな連中が政権を握っていることにも驚くけれど、こんな政権を「経済さえ良ければ」ってんで支持する国民の愚かさ加減にもすっかりあきれ果てた。
 日本の原発再稼働に全力を挙げている読売新聞は「内閣府原発事故対策として、住民避難に九州新幹線を含む鉄道の活用を検討する方針を固めた。これまで避難手段は自家用車やバスなどを中心に考えられてきたが、渋滞解消や迅速な避難の実現に向け、鉄道を避難計画に組み入れることが可能かどうか、本格的に検討する(2014年09月18日)」と報じている。あたかも鉄道が有効な手段なのかもしれないという気にさせる話だけれど、どんな時に原発事故が起きるのか、シミュレーションしてみたらすぐにこれがくだらない居酒屋発想だということがわかるだろう。