後期高齢者医療制度：
何度聞いても、与党（今日の場合はまたあの大村秀章・自民党社会保障制度調査会医療委員長と福島豊公明党政務調査会会長代理・元内科医）が説明する75歳以上を限定した社会保険制度が必要な理由が分からない。保険制度を標榜するのであればその保険加入者としては限りなく多い方が負担力があることは火を見るよりも明らかで、この非常に限定された保険加入者を対象として社会保険制度を作り直す意味合いが説得力に大いに欠ける。しかし、この制度の負担を見るとどう見ても「保険」という語彙の定義からは大いに外れているのだから議論の前提（すなわちこの制度そのもの）がまちがっている。
傾向として高齢者に必要とする医療費が高くなるのは当たり前だ。しかし、もっと問題なのはセカンド・オピニオンを得ようとして医者を換えるとまた検査を受ける結果となったり、必要以上の薬の量を処方することができる体制にあることなのではないのだろうか。そんなことができない様になってきつつあるという表面的な説明はいくらでもできるけれど、現場はそうはなっていない。こちらの制限ができて初めてそれではその負担をどう分散していこうかという話になるべきだと思う。しかも、こうした高齢期を迎えた人たちがこれまで全く健康保険料を払わないでここまで来た訳ではない。社会保険の加入者として負担してここまで来た。それを忘れてしまったら話にはならない。
どう考えてもあの強行採決が慎重な地に足のついた国民レベルの議論に持っていくことのできなかった与党にはとても大きな責任が存在し、それをもっとアッピールすることができなかった野党にも幾分かの責任はある。こうした番組内での形式的な議論ではなくて本来的な議論が必要だろう。
野党：
