ほぼ足りてまだ欲 その先

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無気力相撲

 本場所の相撲についてかつて語られていた「無気力相撲」というものがあって、それは八百長のことかそうじゃないかと語られている。あの双子山親方の演説テープを聴くと明らかに八百長をするのは止めろといっている。日本相撲協会およびその援護者がどんなに言いつくろったって、あれは八百長そのものに対する継承以外の何ものでもない。
 ところで巡業、トーナメントなんて本場所以外の相撲を見ていると、誰ひとりとして真剣勝負をやっている相撲取りなんていない。それで当たり前なんだということになっているらしい。だけれども、結構良い金取ってみせる相撲である。そんなところで取る相撲は怪我したくないから土俵際も粘らないし、厳しい攻めなんて絶対にやらない。わざとらしく突っ張って、相手はわざとらしく顎をあげて身を反る。しかもこれは国内の巡業だけじゃない。先日のモンゴル巡業もそうだし、豪州巡業の時も明らかにそうだった。あんないい加減なそれこそ「無気力相撲」を外国人が見てあれが「相撲」というものだと思っている。それじゃ、プロ・レスと変わらない。だったらあっちの方がいろいろな演出があって面白い。儀式ぶっているオリエンタリズムだけが喜ばれているだけだとしたら、そこには大きなすれ違いがあるだろう。
 巡業ってものはこういうもので、それを分かった人たちが喜んで見に来ているんだから、それで良いんだということになっているんだろう。そんなことも分からない奴は日本の文化を知らない常識外れなんだよ、ということなのであるのだろう。
 それにしても相撲界にはまともな議論ができる人はいないのだろうか。あの社会の中で内舘牧子が良く我慢していられたものだ。