ほぼ足りてまだ欲 その先

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かんぽの宿

 鳩山総務大臣オリックスへの売却に反対している。珍しく与党の担当大臣が反対している。良く自民党の中で鳩山邦夫に対する裏工作が起きないものだと不思議だ。そもそも郵政民政化を推進する旗頭として機能していた小泉の規制改革会議の議長だった宮内義彦が経営するオリックスがこうした施設を手に入れるのはおかしいじゃないかというのが鳩山邦夫の論拠で、これはこれで大いに正しい発想だと私も思うし、この手の発想というのは元々は野党的、というか、反霞ヶ関的発想としてよろしいのではないかという気がする。つまり普通だったら霞ヶ関によって存立している自民党内閣としては反対意見はちらっと出たとしてもそれは本来的に単なるポーズでしかないのが普通だ。ところがここでは担当である鳩山総務大臣が待ったを掛けている。こうなるとなかなか解決にはこぎつけにくいぞ。
 日本郵政西川善文といえば住銀の頭取だった上に小泉縛りの港区の某有名私立大学の経済学部教授とくっついてこの役職を受けているという事情にある人で、この人が「きちんと正常に何らやましいところなく入札をやってオリックスに落札したわけで」と説明されても説得力のないことおびただしいといわれても不思議はない。確かに、この「かんぽの宿」の場合何もかも従業員まで含めて全てを例の109億円で受け入れるということになっていて見たところかなり巧い具合に解決がつけられていると見ることもできる。「かんぽの宿」の場合は厚生年金や雇用保険の積立金をドガジャガやってしまって霞ヶ関が遣いたいばっかりにでっち上げた施設とはちょっとその赤字の色合いが違うことは確認しておく必要があるだろう。何度も書くように誰も来なくて赤字なんじゃなくて、部屋の稼働率が70数%にもかかわらず赤字なんであって、それはそもそもが利用者の特典として存在していた、という点にある。つまり郵政が民政化し、分割されたと同時に発生した問題なのである。となると、この解決は当時から問題視されていなくてはならなかった問題であって、今更の問題ではなかったはずである。
 従って、鳩山邦夫の今の絶対的な反対意向というのは今の自民党の中に広がる小泉ー港区の某大教授路線で進めてこられた政策への大反対表明の一環なんだと捉えて良いのではないだろうか。

日本郵政西川善文社長は29日、都内で記者会見し、「鳩山総務相が『よい』と言ってくれない限り譲渡案はもうダメだ」と述べ、オリックスへの譲渡を断念する考えを明らかにした。(産経ニュース 2009.1.29 19:14)

 どうやら白旗らしい。しかし、鳩山邦夫はこれの落としどころをどうしようとしているのだろうか。彼にとっては「早いところ解散しちゃってくれ」と思っているんじゃないだろうか。そうでないと彼が解決策を提示しなくてはならない順番になって来つつある。小泉ー港区の某大教授(もういい加減にした方がよいか・・)時代におかげで飛ぶ鳥を落としていた皆々様はどうしようとしておいでなのだろうか。