ほぼ足りてまだ欲 その先

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文化

 ろくに見ていなかったのだけれど(なんでだ・・?思い出せない)、テレビ朝日の「サンデー・プロジェクト」に西部邁中谷巌(三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長)、櫻井よしこ姜尚中が出てきて喋っていた。中谷某のことはよく知らないけれど、あとの三人に田原総一郎の声が被るとなんだか随分前の「朝まで生テレビ」を見ているような不思議な雰囲気になる。
 櫻井がいう「素晴らしい日本を誇る」という類の意識がどうしても選民主義に聞こえてしまってとうとうチャンネルを変えた。明治革命後に作られた多くの神話を振り回す意識があの事態を招いたのではなかったのか。そこを無視して敗戦意識を払底せよとアジるのは間違っているのではないかと思う。わずか二十年くらいの期間にものの見事に国民を洗脳した理屈を一度ゼロに戻すべきで、それをやらずに、いや、そこを無視して「文化」を振りまわすのはよろしくない。だからこそあの頃の論理を持ち出す輩は怪しげだと眉に唾つけて見なくてはならないのだけれど、心くすぐられてそっちに飛びつく若い人たちがいる。それは楽だからしょうがないかも知れないが。彼らを見ていると予科練のあの白い制服を着て腰に短剣をつけて胸をはって写っている写真を想う。ものの見事にできあがってしまう。
 死んでから2年にもならない瀬島龍三に見るように、自分に不利なことは誰しも人前で話すことはしたくない。だから日常に埋没していち市井人として暮らしてきた人たちは多くいる。しかし、進んで人前に出た彼のような人間は自らをプラスな部分もマイナスな部分も明かされてしまっても致し方がないし、それに対して自らもコメントしなくてはならないだろう。肝心なことを避けて通って自慢話だけ披露に及ぶのはいち個人でも、国家でも同じようにずるいような気がするのだ。
 あ、そうするとこの私もか。じゃ、ずるい私はそこを逃げよう。