ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ランチ

 ぼぉ〜とした頭でランチに何を創ろうかと逡巡していて、パスタ系にしようか、ご飯系にしようかと考えあぐねているところに外から連れ合いが電話をしてきた。うちからちょっと歩いたところにあるけれど、これまで入ったことのない蕎麦屋の話を一昨日していたものだから、そこにでもいってみるかというので、渡りに舟とでかける。交差点を渡りかかったところで、向こうからご近所さんがやってくるのに遭遇。「あぁら、二人でお昼?」と見透かされる。日頃昼間に二人で歩くことのない千束商店街をとことこ歩くとあっちもこっちも水曜日でお休みだ。この辺はそれが定番。鶏肉の竹松もなんと安売り屋の丸重も休み。この辺で気がつけばいいのにノー天気に歩いていくと、やや、「田甫大三」はやっぱり休みじゃないか。
 胃袋が「蕎麦モード」にはいっちゃっているものだから、「じゃ、弁天だ」というわけで歩く途中に、大黒屋にさしかかる。「どう?」といわれるけれど、並木の藪じゃあるまいし、蕎麦に大枚はたく気にはなれないと、そしてぶれない男としては弁天にまっしぐら。すると・・・あぁ、ここも休みじゃねぇか。そりゃしょうがない、ここまで来たんだからと、友だちの事務所を冷やかしてから言問通り長寿庵にあがる。盛りと、天盛りを注文。ついてきた天麩羅は海老が一本、アスパラ、獅子唐、椎茸、海苔、大葉。
 ここのメニューには大変珍しく「はいから」という文字が見られる。タヌキのことなんだけれど、これを「はいから」と呼んでいるのはかつて高校時代に学校帰りに良く入った青物横丁駅からすぐのところにあった「大村庵」とここだけだ。どこかで繋がっている可能性がないとはいえないだろう。40数年前に大村庵のおばさんに「なんでタヌキのことをハイカラっていうの?」と聞くとおばさんは「ハイカロリーだからよ」と答えたものだ。そりゃそうだ。揚げ玉を入れた蕎麦が「ハイカラ」とはいえないものなぁと納得した(この話をここで書くのはこれで三度目)。
 後から考えたらうちが昼飯を外に食いに行けるのは毎週金曜日しかなくて、その日必ず休みである天麩羅屋に行けば良かったのに、残念なことをした。でも、蕎麦モードだったから致し方ない。
 それにしても肉せいろ、鴨せいろくらいまでだったらわかるんだけれど、カレーせいろ、はいからせいろ、きつねせいろとくると、こりゃ一体全体なんだろうという気になる。後で聞いたら暖かいカレーの付け汁が出てくるんだそうだ。はいからせいろは付け汁に揚げ玉が入っている、きつねせいろは揚げが入っているというわけなんだそうだ。なぁるほどぉ・・。
 スーパーによって買い物をしてから帰ってくると近くの交差点で噺家が自転車で行くのを見る。奴も歳をとったなぁといいながら、考えてみると私と同じ歳だ。