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そんなに早い時間に昼飯を喰ってしまったものだから映画までに時間があって、取り敢えず表を歩いた。和光のディスプレイが相変わらず格好良くて目を見張る。ワイヤーで作ったフレームに単なるフェルトのような細切れの布を挟んで地球を表しているのである。そのアイディアの斬新さと、できあがったもののモダーンさに頷いてしまう。しかも、しかもだ、豪州の地図にはちゃんとタスマニアがある(ちょっと格好が変だけれど)。概ね豪州の地図を書かせると皆さんタスマニアを省くのである。ハートに地球は凄い発想なり。そういえば子どもの頃、こうしたディスプレイを任されているという芸大出身のお姉さんのところに絵を描きに行っていたことがあったなぁ。確か、松本さんと仰って、わが家から丘を登ること約10分のところにあった大きなお宅だった。どうされているんだろう。いやいや、どうしてそんなところに絵を描きに行ったのだろう、そしてどうして私の絵画の才能は開花しなかったのだろう・・・そりゃ才能が欠如していたんだろうな。
こうなると隣の御木本はいかなる趣向かと思うと、やや、満開の梅の木を据えてあるのだ。一体どこでこんなに咲かせ、しかも根から抜いて持ってこられるのだろうか。そのために昨年から準備しているということなんだろう。
御木本の面白いのはそのまた横にある小さなディスプレイ・ウィンドウだ。こちらは木を削って着色したような、かなり昔のものと見えるような人形と、達者な筆文字を立体化した歌である。これはテキストで説明しても俄には発想できないだろう。多分、連れあいがいうように、今やコンピューターを駆使すれば実現できないことはないだろうけれど、舌を巻かれるのはその「発想」だ。お主、やるなぁ。
そこから今度は交通会館に行って用事を済ませ、とって返して数寄屋橋の高速の下に繋がる「GINZA 5 FIVE」に入る。ここの地下通路は年に何回も通り過ぎるために通る。しかし、2階にはもう何年もあがった記憶がない。さて、こんな時じゃなくてはチャンスがないからとあがってみる。あがってみてびっくりした。もちろん昔かなりのスペースを占めていた「HUNTER」のような大きな店がある訳もない。その殆どは骨董、あるいはお茶道具、着物、着物の仕立て直しファッションなんてお店である。その上いくつものスペースががらんとして「出店スペース」の看板が立っている状態である。平日の真っ昼間にこうした店が賑わう訳もなく、ひっそりと店主が通り過ぎる爺婆を見つめるくらいのものである。これにはちょっとショックだった。こういう世界があったのだ。
地下にあるスタバによってラテのGサイズをテイク-アウェイする。お姉さんが「そのままでよろしいですか?」と聞く。なんのことだか分からない。「どういうこと?」とお伺いすると「袋に入れますか?」ということなんである。即座に「いや、要らない!」と答えたのだけれど、後で後悔した。持ち歩くにはかなり熱いのである。ひと言「お熱いですよ」といって欲しかったなぁ。爺さん発想できず。