ほぼ足りてまだ欲 その先

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チリ

 18日はチリの独立記念日だったそうだ。それで、テレビでは例の落盤事故生き埋め現場から地下700mにいる鉱山労働者の映像を放送していた。今年は200周年の独立記念日だそうで、余計に報道されているらしい。しかし、こんなことでもなかったら日本でチリの独立記念日について報道されることもなかっただろう。
 豪州の Sydneyで仕事をしていた15年くらい前、街で出逢うチリ人といったら、オフィスの掃除にやってくる人たちだった。うちの事務所があったビルでメンテナンスの仕事をしている人たちの殆ど全部がチリからやってきた人たちだった。文句を言うと、俺の責任じゃないとすぐに逃げを打つメインテナンスのチーフもそうだった。そのうちに気がついたのは他のビルでもメンテナンスの仕事をやっている人たちの多くがそうだった。多分、そういう分野で頑張った先達がいるんだろう。
 そのうちに残業している私たちと普通に喋るようになる。すると、「実は自分はチリではエンジニアだったのに、ここではそんな仕事に恵まれない」とか「実は看護師だった」という人たちに出逢う。確かにあの国では外国で持っていた資格はそのままでは有効にならないから、そういう傾向にいる人もあり得るけれど、そのまま正直に彼等がいうことを捉えるわけにも行かない。そのうちに「お前の国にいって働くのはどうしたら良いんだ」というところに概ね落ち着く。「日本は移民は殆ど受け入れないからやめた方が良いよ」と良く云っていた。
 あの頃から較べれば遙かに外国人が多くやってきて働いているけれど、表の入り口は未だに変わっちゃいない。裏口だけが開いていて、すっちゃかめっちゃかになっている。先進国の中では珍しく移民が少ない国だ。でも、働いて暮らしている人を見ると、かなりの国からやってきているのはわかる。
 多分チリからやってきて働いている人たちは今の日本にも結構いるだろう。しかし、相当に特殊だろう。
 そういえば学生の頃から日本で勉強してドク論もしっかり通したチリ人と仕事で一緒になったことがあった。彼は頑張り屋だった。たまに逢うと、「大福が食いたいなぁ」と良く云っていた。サンチャゴに帰ったという噂を聞いたけれど、その後どうしていることだろう。