前にも書いたかも知れないけれど、私の耳は実は結構面倒くさい。目立つようになったのはここ2年ほどのことなのだけれど、いわゆる耳垢栓塞（じこうせんそく）という症状を呈する。それってなんだよということなんだけれど、要するに耳垢でもって鼓膜を塞いでしまうという症状なのだ。そんなのそれこそ金の耳かきを使って、若い女の子にほじって貰えよ、という声が聞こえてきそうだけれど、そんな悠長なものではないのだ。
ある日気がつくと右の耳の聞こえが悪くなる。で、そこからはどんどん聞こえなくなってくる。しかし、近所の耳鼻咽喉科のクリニックは、近頃花粉症の患者でわんわんする。そうそう行かれない。行っちゃえば良いんだけれど、なにしろ近所のクリニックの先生はうちの隣の奥さんだから気を遣っちゃう。だから、できるだけぎりぎりになっていく。これまでにもう三回、処置をして貰った。耳の中になにやら液体を流し込んでしばらく横になっていて、ふやかしてからバキュームで吸い出すというのが、簡単な理屈。
ところが今度だけはなかなか取れない。最後はかなり痛くなったので、思わず「痛い！」といってしまった。どうやら外耳が赤くなってしまっていて、ひょっとしたら外耳道真珠腫にまでなってしまっているかも知れないというので、大きな病院の先生を紹介された。それほど深刻には考えていないのだけれど、どうもネットで調べると、手術を必要とすることがあるのだと書いてある。ぎょえっ！と驚く。隣の先生、私にもっと足繁く来て貰えば良かった、牽制するようなことをいってごめんねとしきりに謝られるので、こちらが恐縮する。明後日、診察してもらいに行く。
点耳薬というものを二種類処方される。耳の中に液体を入れると、耳が聞こえなくなる。当たり前だ。ということは、防音システムとして水の壁というのは機能するということか？
