ほぼ足りてまだ欲 その先

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「第25回浅草ニューオリンズフェスティバル」

 毎年夏に浅草おかみさん会という共同組合が主催のコンサートが開かれているのは知っていたけれど、今まで一度も足を運んだことがない。なんともう既に25回も開かれているというのには驚いた。そうか、そんなに経っていたのか。それにしてもなんで浅草でニューオリンズなんだろうか。そんなことをいったらなんで浅草でサンバなんだ、という疑問の方が先に解決しなくてはならない。例の台風カトリーナの時はこの縁があるので、楽器を提供したりして随分支援をしてきたのだそうだ。で、今回は来日しているメンバーがボランティアで、郡山にいって演奏するということになっているのだそうだ。
 「浅草おかみさん会」というのは地元の人ならば誰でもが知っているといわれている蕎麦の十和田のおかみさんが中心になって活躍しているグループで、この蕎麦やのかみさんは思いあまって都議会議員だったかに立候補したけれどあえなく落選してしまったいうくらいのものである。彼女の落選は意外な気がしないではなかったけれど、都議会ともなると、地域だけでは票は集められないものと思える。
 今回なんで始めてこのイベントの会場に足を運ぶことができるようになったのかといったら、京橋の先輩からいただいたのだ。会場に到着してみると一階席はもうほぼ一杯だけれど、その多くはお婆さんとお爺さんである。そりゃそうだ、平日の昼間の午後2時に足を運ぶことができるのはそういう年代しかない。いくら夏休みでも、今の若者がディキシーに興味があるとは思えない。
 最初に薗田憲一とディキシー・キングスがバリバリのシーデキを聴かせてくれた。しかし、どうしてこういうバンドというのは受けることを狙うようになるんだろう。気がついたら灘康次とモダンカンカンみたいになっているのはどうしたものか。そういえばカンカン帽を被っているなぁ。このバンドのオリジナルバンマス、薗田憲一はもう既に他界しているけれど、バンドの名前はそのままにしているようだ。
 休憩のあと、いよいよ「Thomas Fischer & New Orleans Jazz All Stars」の演奏である。もちろん非常に完成度の高い演奏で、唄ったYolanda Windsayが若くて、荒削りではあるけれど、なかなか良い歌で、ゴスペルも「Somewhere Over The Rainbow」もしっかり聴かせる。検索してみたら彼女の母親は、あのTopsy Chapmanだそうだ。
 ところで彼等の曲目を紹介したり、しなかったりで、なんだかその立場が良くわからないNew Orleansから来たと覚しき日本人一世のおばさんがピアノのThomas Hookが唄った「Mr Bojangles」を説明したのに驚いた。
 この曲は多分私はNitty Gritty Dirt Bandで知ったのだと思うのだけれど、Bojanglesという戦前華やかだった実在したタップ・ダンサーのおじさんの話なんだというのだ。実話なのだよ。だから、このバンドが唄う意味がある。これだけでも今日足を運んだ意味があった。Bill “Bojangles” Robinson (May 25, 1878 – November 25, 1949)(wikipediaより)。
 最後はなんと「ふるさと」をThomas Fischerが日本語で唄った。
 しかし、終いにおばさん達がまるでNew Orleansの例の葬式の列のように、飾りパラソルをかざしながら会場を歩くのがおかしくて思わず笑ってしまった。
 明日も昼夜二回あって、28日には演者全員がボランティアで郡山にいって演奏会をするのだそうだ。