ほぼ足りてまだ欲 その先

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浅草堂酔夢譚

 あの浅草公会堂の撮影から1年と4ヶ月。「下町コメディ映画祭 in 台東」の一環として日曜日の今朝、浅草ロックの場外馬券売り場の向かいにある「浅草中映」で上映された。上映に先立って、主演の田村愛、堀川亮ベジータの声)、そして荻野欣士郎監督の三人が舞台挨拶に立つ。主演の二人は映画の中では父と娘でありながらライバルバンド。
 私は素のままの私だったから、別に苦労はしなかったけれど、なにしろ99分間一度もカメラを止めずにとるわけだから、その緊張感はたまらなかった。今日はじめて判ったのは、どうやら一回目の撮影が途中でNGが出て、もう一回頭から撮影したのは監督の作戦だったらしいということだ。彼は策士だなぁ。
 偶然お隣になったのはこの作品のタイトル文字の書家、「かわくぼみちこ」さんだった。彼女の話だとあのタイトル字に決まるまでに千回お書きになったのだそうで、その作品を母校の青山学院大学でこの23日に展示するのだそうだ。
 もちろん台本を貰っていたのだから、おおよそのストーリーは判っていたのに、こうしてスクリーン上で通してみてみると、あぁなるほど、こう云うことだったかぁ、と頷くことができた。撮影中は自分の見えないところでストーリーが展開しているわけだから、全体がよくわからなかったのだ。
 あの撮影の日に至るまでの稽古場でのことやら、その後のことやらが頭の中を駆け巡って、ストーリー以上に個人的には感動してしまった。