ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

 朝、5番のトラムが一体どこに行くのか、試してみるという実に非生産的な試みに出発した。どうやら地下鉄のU6に平行したような形で走っているらしいのだけれど、終点はウィーンの中心から川を北に渡った遊園地近辺らしいというのがわかって、途中で降りた。
 リンクの中に向かうトラムを探して街を歩くと開いたばかりの八百屋に遭遇。すると店頭に今にも熟れてしまいそうな柿を発見した。柿の木なんて郊外でも見たことがないから不思議だなぁと思って近づくと、なんとそこには「KAKI」と書いてあるではないか。そこに出てきた40代とおぼしき店主に「このKAKIってのは日本語なんだよ、知ってた?」と聞くと「そうか!イタリアから毎年来るんだよ!」という。輸入品なんだなぁ。一体誰が買うんだろう。その後リンクの中を歩いていると他の店でも見つけることができたが、それはもう熟れて割れていたのだった。
 多分、グラーベン通りの突き当たりにある、かの超高級スーパーマーケット、トルコ帽のマークで知られたJulius Meinlあたりだったら買う客がいるのかも知れない。それにしてもあのスーパーの木で鼻をくくったような対応は気に入らないなぁ。あ、ただし、2階で生ハムのデモをやっていたおじさんは除く。あんな美味しい生ハムをおよそ買いそうもないアジア人の旅行者爺に差し出した誠意は評価して良いだろう。なにしろ2年ものだということだ。

 私は用もないのに文房具屋に入ることを趣味の一つとしているのだけれど、ここでもそれに充分対応してもらえそうな文房具屋が存在する。かつて日本でも駅前に必ず一軒はあったような、何から何まで、何でも積み上げるようにして売っている文房具屋だ。それが極端なところだと並んでいたりする。文具マニアにはたまらない。
 万年筆ファンの皆さんだったらご存じだと思うけれど、欧州には子どもたちが使うための鉄ペン先の万年筆というものがあって、日本にはペリカンペリカンJr.のようにいくつかが入ってきている。
 見たこともない鉄ペン先万年筆を発見。それも安いからうれしい。二つ入手したけれど、そのどれもがカートリッジはペリカンのショートでもロングでも差せる(カートリッジの口が同じだから当然)というのが嬉しい。
 安いといってどれくらい安いかというと500円前後なんである。まだ書いていないからどんなものなのかわからない。それにしても文房具屋のおっさんというのはどうして、この街では愛想が良いのだろうか。
 そういえば帽子屋のおばさんも愛想が良かったなぁ。