- 作者: 保阪正康
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: 単行本
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ところが一昨日近所の、たまにしか入らない、本屋に入ったら、向こうから紫色の一冊が飛び込んできたのがこれで、何と保阪正康が書いたものだった。保阪は確かに「死なう団」を書いたりしているから、あの時代のことをまだまだ懐に抱えているんじゃないかと思っていたら、こんなものまで抱えていたということだ。
あの時代の官憲はやらずぶったくりの様にして様々な反権力的な行動を弾圧してきていたのだけれど、私にはどうもその動きが今も大して変わっていないのではないかという息苦しさを感じて仕方がない。
その最もわかりやすい事実は「反原発」のデモに参加してみれば直ぐにわかる。「早く行け」といわれ続けるデモには沿道の通行人や働く人たちに訴えかける隙を少しでもなくしてやろうという意図が見えるし、いわゆる一般の人たちとデモ隊(それだって殆どは一般の人たちだ)をできるだけ分断し、こんなことをやると警察からこんな声を掛けられるわけで、正しい一般市民じゃないんだぞと印象付けし、お前達はこんなことをするんじゃないぞ、と諭しているかの如くに見えるのだ。直ぐさま護送車に乗せられて拘置所に放り込まれてしまうわけではないけれど、時には「かくほぉ〜!」と大声を上げて、有無をいわせず四肢を掴まれて護送車に乗せられて見せしめになることだってある。
一種の脅迫である。そんなことになったら面倒だなぁ、という気持ちを起こさせればそれだけで権力側にとっては取り敢えずの勝利である。
その間に民主党・野田佳彦内閣はどんどんと整備新幹線復活、外環復活、八ッ場復活、放射能汚染瓦礫拡散、東電フルサポート、国民の放射能汚染拡大の路線を拡げてきている。武器輸出三原則をいとも簡単に反故にし、しまいには自国で大失敗をしている原発の輸出もフルサポートした挙げ句、特別会計予算には一切手を触れず、足りない分は弱り目に祟り目の国民からカツアゲするという始末だ。
今、この国はどこへ向かって走っているのか、知らない振りをして黙っていると気がついたらこんな狭い地震帯国に54基もの原発を作られ、搾り取られる羽目にまた陥るってことだ。この国の住民はどこまで人が良くって、知らない振りをしていくというのだろうか。
「今まで好きに電気を使ってきたクセに、ちょっと故障したからって原発に反対だなんてどういう人たちだ」と思っている一般市民がまだまだあっちにもこっちにもいて「絆」という言葉に騙されている。いつまで騙されれば気がつくのか。
いい加減、目を覚ませ。・・・また話がここに来ちまった・・・。