ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

労使協議

 かつて、バブル真っ盛りの頃だったかに随分話題になったことがある。ブルーカラー(この言葉は差別的であるという理由から使われなくなったけれど、とてもわかりやすい言葉で、現場で生産工程に従事する労働担当者を指す)は別として、ホワイトカラーは時数ではその労働の深さ、成果のあるなしを判別できないのであるから、この労働規制時間数を撤廃してしかるべきであるという論議である。つまり、技術開発やクリエイティブな分野の仕事は今更共産主義経済ではないのだから時数では計れないのであり、それをしてはその分野の従事者にとってかえって失礼なのであるという論調が闊歩したことがある。
 今またぞろそんな話になっているらしくて、これをやられるとどんなことが起きるのかというと、雇用者と被雇用者との間の了解事項以外にこの関係をコントロールする力が存在しなくなってしまうのである。つまり雇用者のやりたい放題になってしまって、被雇用者はどんどん労働強化されるがままとなってしまう。
 今までも労使はどうせダラ幹が会社側におもねってやられちゃうのだけれど、それでも、そういう協議をしなくてはいけなくて、その労働制限時間については国の機関がにらみをきかせている(という建前に過ぎないのは事実なんだけれど)ことになっている。しかし、今後はこれがすっ飛ばされてしまうというはなはだいい加減なことになりそうだというのがこの国のトップもトップ、最大企業といわれる自動車メーカーなんだから、この国の企業倫理なんてものはとっくにドここに雲散霧消しているわけだ。
 今時の企業経営者は創業者の言葉を引いたりすることがあるけれど、そんな資格は君らにはもうとっくにないのだ。公聴会で泣いちゃうんだぜ。願い下げだよな。