ほぼ足りてまだ欲 その先

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学校は経営か

 学校法人といえども金が旨く回らなくてはその学校そのものが動かなくなってしまう。学生が集まらなくては学校が学校としての存在意義を失ってしまう。いや、金が潤沢にあれば、学生が定員数を下回ってしか集まらなくてもやっていけるということではあるかも知れないけれど。
 だから学校法人はじり貧になっていくのか、あるいはどんどん拡大に拡大を重ねて大きくなっていくのかの二つに一つしかないように見えてくる。
 かつての短大、かつての専門学校がいつの間にか大学を抱える一大学校法人になっているのを見るとそうして大きくなって行かざるをえなかったのではないかという推測ができる。その証拠に近頃になって聴くようになった学校の沿革を調べてみるとかなりの数がそうやって大きくなってきた学校である場合が多い。
 だから、学生を集めることがどうしても至上命題になってしまう。だから、広告宣伝を打ち、野球場の壁面に広告を出すし、全国紙に全面広告を出稿したりする。小綺麗なキャンパスを便利なところに作りたい。都会の真ん中のテナントビルの中に「なんたらキャンパス」なんてものを持ちたがる。本来するべきはそっちよりも如何に優秀な教師群を構築するのかというところにあるはずだ。しかし、それは受験生に理解されにくい。親だってわからない。素晴らしい先生がいて、あの人の話を聞きたいから学校に入りたいという動機を語る受験生というのは非常に少ない。いないことはないけれど。
 こうした動きを見ているとやっぱり学校は学生を集めて金を集めることがまず一義的存在であるということになってしまう。こういう状況にある教育制度というものが成熟した教育制度であるといえるだろうか。