ほぼ足りてまだ欲 その先

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青木深(あおきしん)

第35回サントリー学芸賞受賞作。
 青木深の「進駐軍を笑わせろ!」に大変感動したので、2013年にサントリー学芸賞をとったというこの本を図書館から借りだしてみたら、なんとこりゃとんでもないほどの大作で、巻末の参考文献リストを見ただけで、うわっ!こりゃ読まなくちゃいけない本だわい!と嬉しくなる。何しろ元は著者の博士論文だというんだが、それにしてもこの人、すごいな!

 パラパラっとめくっていると、エセル中田の名前を発見。懐かしいなと思っていたら、彼女は朝鮮戦争の頃清泉女学院中高の学生だったと書いてあり、清泉女子は当時できたばかりで、横須賀にあったという。あの学校は海軍司令官からの要望で「財団法人清泉寮」が米軍子女のための学校とともに設立されたのだと、同校の創立30周年史から引用された注釈がある。
 私が思う「清泉寮」というのは山梨の清里にある「キープ協会」のジャージー牛でしられたあの「清泉寮」だ。関係があるのかと思ったけれど、清泉女学院の「財団法人清泉寮」はウィキペディアによれば聖心侍女修道会が教育理念を「Fuente Pureza(きよい いずみ)」と定めて1938年に設立された財団法人だという。
 一方、清里清泉寮は当時立教大学に教師としてきていたポール・ラッシュを中心にやはり1938年に設立されている。どうにも紛らわしい。清泉女子大が五反田のキャンパスに移動したのは1962年のことだという。

 これを知っただけでも、この本は面白いなと思ってしまうのだけれど、こいつは奥が深いぞ。ウキウキする。