ほぼ足りてまだ欲 その先

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巨木

 日本で巨木というと、白神山地のブナの木とか、屋久島の屋久杉とかを思い浮かべる。そして各地の神社にあるご神木といわれる類が樹齢数百年といわれて、思わず見上げて、その枝の広がりに驚く。しかし、白神山地に分け入ったこともないし、ましてや屋久島に行って何時間も歩いて屋久杉に逢いに行ったこともない。(なんで木を見に行くのに逢いに行くといってしまうんだろうか。)
 多分世界で一番背の高い木といったらアメリカのカリフォルニアにあるセコイアの木ではあるまいか。子どもの頃、絵本で、横たわる大木に穴を開けて、そこを車が通っているのを見てぶったまげた記憶がある。この国の人たちはこんな事をして平然としているのかとも思ったし。こういうところへ出かけるのは「驚きに」行くのだから、ハナからその雰囲気に飲み込まれていなくては面白くないし、大げさといわれようと驚いてやろうとは思っていたけれど、実に本当に驚いてしまった記憶がある。その国立公園は名前からしSequoia National Parkという。生まれて初めて行ったときは、そこここに落ちている松ぼっくりのようなものの大きさに驚いてしまった。今から考えるとあれはSequoiaではなくてSugar Pineの松ぼっくりだったのだろうけれど、片掌に乗り切らない。あとで聞いたら拾ってはいけなくて(とって良いのは写真だけ、残して良いのは足跡だけ)、ビジター・センターで売っていた。この公園には平気で熊が出る。
 ニュー・ジーランドにはKauriという木があって北島のワイポウア・カウリ森林保護区に行くとそれはそれは大きな木を見上げることができる。中でも高さ51メートルという大木には枝の上にそれはそれでまた別世界ができているそうで、そんな話を聞いているとまるでラピュタか、と思ってしまいそうだ。世の中にはまだまだ知らないことがいくらでも転がっていて、気が遠くなりそうだ。
 Kauriの博物館というものがあって、そこには驚くような大きな板が切り出されていたり、磨き抜かれた木の肌を見ていると、種類が違うものの豪州のタスマニアに現存するHuon Pineを思い出す。あの木も素晴らしい香りと木肌をしている。
 こうした先祖から残されてきた自然の賜も人間は貪り尽くしてしまいそうだ。