ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

散歩

 朝一のネットチェックを終えてから早速、水とカメラをバッグに詰めて、歩きに出掛ける。歩くったってどこにいきゃ良いんだろうというわけで、迷ったのだけれど、取り敢えずしばらくの間は商店街を見に行こうという気になった。行ったことがない武蔵小山商店街を目指すことにした。次のチャンスは戸越商店街にするか。
 鶯谷→目黒→武蔵小山
 京浜東北線というか、根岸線というか、が快速になっていないことに気がついた。多分あの地震以来こうなっているのだろうか。山手線に乗って目黒を目指す。久しぶりに乗った山手線なんだから、景色の変化に気がつくと良いなぁと思ったけれど、ふと気がついたら浜松町から先は寝てしまった。JRに久しぶりに乗ったような気がする。多分最後に目黒の駅を通ったのはどなたかのお葬式が桐ヶ谷斎場であって、不動前までひと駅をこの目黒線に乗ったときのことだろう。どうも南北線なる地下鉄に親しみが湧かないなぁと思っていたら多分この地下鉄の殆どは私が日本にいない間に開通していた様だけれど、全線が開通したのは2000年としてあるので、それなら私は日本にいた。
 目黒の東急線は五反田の池上線と同様に品川寄りの一番後ろに高架の駅だったなという記憶があるものだから、行ってみたらエスカレーターが下に向かっているのを見て、はなはだ驚いた。一度通り過ぎているはずなのに。思い出すのは木の階段をぎしぎしいわせながらあがる目蒲線目黒駅なんだから、そりゃ一体いつの話だよといわれてしまう。きょろきょろしながら改札にやってきたら、この駅は一旦JRの改札を通って外に出て、それから数メートル先の東急の改札口をまた入るという面倒くさいことになっていた。
 フォームに降りていくと、電車が扉を開けて止まっていたから、飛び乗ると、これが快速と書かれていて、途端に扉が閉まって走り出して、ギクッとした。不動前はものの見事に通過で、次に停まったのが武蔵小山だ。目黒と武蔵小山はこんなに近かったのか。これならこの駅は絶対に通っていたはずだ。なにしろ目蒲線、池上線の沿線には高校時代に友だちが随分といて、かなり乗ったからだ。しかし、この駅には降りてはいないはずだ。この駅からは都立小山台高校というところに行くことができるので、他校の縄張りという雰囲気がしていたからだ。
 駅にから外に登ってみて驚いた。もの凄く瀟洒な駅ビルが建っているのである。駅ビルの二階には東急ストアがあって、素晴らしく洒落たスーパーである。ところが人はがらがらだ。それもそのはずで、なにしろ武蔵小山商店街、パルムって立派な商店街に人びとはわんさかわんさかいるのである。
 私が到着したのはまだ11時になる前だったのに、もう既にこっちには人に,ア、いやいや自転車にぶつかるのではないか、というくらいにおばさん達が自転車で行き交っている。それも電動自転車率がかなり高いように見受ける。アーケードは全長800mだというんだから、そりゃ端から見たら遙か彼方までアーケードがあるように見えるのは当たり前だろう。
 中には驚くほど大きな自転車屋があったりする。地元のお店と、チェーン店系の店がものの見事に入り交じっていて、喰いもの屋のチェーンの殆どが勢揃いしているし、なんとブックオフABCマートまで入っているし、もちろんパチンコ屋もあって(なくても良いんだけれど)、それでいていわゆる雑貨屋という類が何軒もあるのが不思議でしょうがない。なんでこんなものが売れるんだろうかと。
 こういう商店街でいつでも覗いてしまうのは惣菜屋さんなんだけれど、この商店街には数軒ある。不思議なのは魚屋とか八百屋の類をあんまり見ないのはスーパーがこの分野を席巻しているのだろうか。その代わりに豆腐屋は何軒か見たなぁ。名物のような洋食屋がない。十条の商店会と較べてどちらかというとその辺が違っている。この商店街はなんだかおばさん大歓迎という色が濃く見える。
 さて、今度は南北線にしっかり乗ってみようと帰りは武蔵小山からどんどん南北線を北上して行く。どこで降りてやろうかとさんざん考えたんだけれど、この際だから東大前で降りて古本屋を見て見ようかと思い立つ。東大前の駅はそりゃもう大変に深いところにある。登れど登れと外に出ない。駅前の本郷通り本郷三丁目に向かって、大学と反対側を行く。ところが赤門に来るまでの店並はかなり相当に弱っていて、古くなっていて、実に侘びしくなっている。古本屋も何軒かあるのだけれど、相当専門化している店もあれば、相当一般的になっているところもあれば、これは一体売る気があるのか、ただ単に集めているだけなのかと思うようなものもあるし、もはややる気はないんだなというところもあるくらいだ。それにシャッターの降りているお店も何軒かある。開いている店も店にいる人の年齢は相当なものがある。
 それが赤門を過ぎると、本郷三丁目までの間はどんどん再開発された様子で、賑やかだ。多分人が通る絶対数が全然違うんだろう。私にとって面白いものは見つからず、僅かに新書が2点。

  • 「イギリスと日本 ーその教育と経済」森嶋通夫著 岩波新書1990第40刷:以前に某教授のお話をお伺いしていたときに参考資料としてあげられていた文献の一冊で当時入手できなかったもの。
  • 「太平洋戦争陸戦概史」林三郎著岩波新書 昭和32年第7刷。著者は阿南陸軍大臣秘書も務めた陸大出身者。

 大江戸線本郷三丁目駅(これもまたえらく地中深いのである)からつくばエキスプレスで帰る。今日は全部で11,700歩。