今日は7,900歩ほどを歩きました。まずどこへ行こうかと思ったんだけれど、銀座へ出てしまうとまた本屋に入り浸って何かを買ってしまいそうだから、銀座線を京橋で降りたんだけれど、すぐさまかなり久しぶりな有楽町線に潜って池袋方向へ。江戸川橋で降りました。多分この駅で降りたのは初めてです。だいたい、この辺って用事がありません。目白通りが目白から椿山荘の前を通って降りてきますが、この辺用事がありません。
そもそも椿山荘って、多分半世紀くらい用事がありません。昔、椿山荘で欧州から来た若者をボランティアで応対するという役割できたり、某女子大の卒業謝恩会パーティーでバンドできたりした、という程度だった。あれからずいぶん変わっているんだろうか。といっても当時のことをあまり覚えていない。
ここで地下鉄を降りたのは、この辺に評判の立ち食い蕎麦屋があると聞いたからだ。表の通りを南に行くと両側はマンションだらけで壁ができている。食い物屋がいわゆるチェーン店のようなものばかり。松屋、デニーズ、ほっともっとなんてのがあるんです。早大通りが西へ曲がる手前左のライオンズマンションの一階にローソンがあってその隣、それが今日の目的地、立ち食い蕎麦「山吹」です。この地名が新宿区山吹町ですから、それでついている名前でしょう。
食券の自動販売機は一台で、私は入るときに外にあったビラの「親子丼」に目が行ってしまったので、迷わず「親子丼セット540円」を押しました。財布の中に千円札がなかったので、乗り換えの時に銀行によって崩してきました。江戸川橋の駅からここまでの間にも銀行二つ、コンビニ二つはあったので、気にしなくても大丈夫だったですねぇ。
で、この食券をどこに出すのかなぁと思った瞬間、中にいるかわいいお嬢ちゃんと目が合って、彼女がとても愛想良く「こちらへどうぞ!」といってくれたので、もう安心。「冷たい蕎麦で下さい!」とお願いしたら「盛りですか、ぶっかけですか?」と。なるほど、細かい気の使い方です。「ぶっかけで!」と思わず反応しました。これ、珍しいです。中には彼女を含めて4人でしょうか。他の三人は私よりも歳上じゃないかと思うような大柄なお父さん、多分そのつれ合いだと思われるお母さん、そしてもう一人の女性。お嬢ちゃんは娘さんなんだろうか。それにしてはちょっと若すぎるような気がしないでもない。ひょっとしてお孫さん?しかし、彼女のおかげでとても雰囲気が良くなっているんだろうなぁ。
順番が来て受け取りに行くと、なんとぶっかけっていっても汁のかかった蕎麦に刻みネギ、わかめがのっているっていうのに、そのお嬢ちゃんが「揚げ玉乗せますか?」と聞いてくれます。思わず「お願いします!」と。こうなると、もはやこれは単なるぶっかけではなくて、既に冷やし狸ではございますまいか。そして、ほんのちょっと小ぶりな親子丼は鶏肉がしっかり入った、ついで親子じゃないんです。ごはんが私には多すぎ。最初から小盛りにしてもらえば良かった。
蕎麦も美味しく、親子丼も標準以上のもので、立ち食い蕎麦の味ではないといって良いでしょう。540円でこれは及第ですよ。
後から聞くと、とても有名な立ち食い蕎麦屋だそうで、私の中では神保町の嵯峨と争う感じです。申し訳ないけれど、富士そば、ゆで太郎、小諸そばでは敵わないのは家族経営だからなんじゃないでしょうか。どうやら麺が池袋の松本製麺製なんだそうでそれも意味があるそうです。
満足して、さてどうしようと思ったのですが、この近くに商店街があることを覚えていたので、その商店街、地蔵横丁商店街に行ってみました。多少欠けているところもあるけれど、マンションが混ざっていなくて、軒並み商店になっているのがよろしうございます。大戸降りの両側が軒並みマンションですから、居住者がたくさんおられるということがこの商店街を支えているんでしょうねぇ。
練馬車庫行きの「白61番」のバスに乗ってみます。目白通りをぐぅ〜ンと上がって椿山荘の前を勢いよく通り過ぎます。忍ばず通りへ行く分岐を超えて日本女子大の前に来ると、新学年が始まったばかりだというのに、全く女学生の姿が見えません。その上、日の丸が立っています。この学校は常時日の丸を立てるような思想なんだろうか、と不思議です。後でわかったのは今日が創立記念日なんだそうです。
もうずっと乗っていようと思ったんですが、目白駅前で降りようと思い立ちました。学生時代の友人で目白の料理屋の息子がいたんですが、彼は若くして死んでしまい、その後全く縁がなくなりました。実は彼のかみさんなるものは彼らの結婚前から知っていた人だったので、どうしたことだろうとふと思い出したのです。で、路地に入っていくと、ここらあたりじゃなかったのかなぁというところを通り過ぎても、その片鱗すら感じないのです。おかしいなぁと思いながらまた目白駅へと戻り、山手線で帰ってきました。後で調べたら、もう4年ほど前に、そのかみさんが一人で切り盛りしてやっていた店を閉じたようです。しかしねぇ、彼女はカメラ屋さんの一人娘で、そんなことやったことなかったはずなんだけれどなぁ。