ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

finally

 昨日珍しくうちの電話にファックスが入った。そんなことはもう金輪際ないと思っていたので、紙もセットしていない。しかし、今の電話は大したもので、「ファックスが入ってンぞ」「見るだけで良いのか?それとも印刷するのか?」「じゃ、紙をセットしろよ」といってくれるので、そこで紙を入れて印刷した。
 すると先日、ノルウェー人が奈良でタクシーの中に忘れたカメラがようやく回収されて、ノルウェーに向けて発送が完了したという昔の上司からのお知らせだった。
 なんでファックスなのかと思ったら、パソコンのOSがXPだったものだから、今それを7に入れ替えている最中で良くわからないから取りあえずファックスにしたと仰る。もう80歳を超えた方である。その方がOSを入れ替えなくてはならない立場に置かれているのだ。マイクロソフトの責任や多である。利用者のことを考えていないだろう。
 このかつての上司は本当に頭の下がる方で、人間的には全く偉ぶることもないし、それでいてチャレンジャブルだし、この人のことを悪くいう人を見たことがない。
 しかし、為替がむちゃくちゃに乱高下していた時に扱っていた輸入品の為替差損を出したことをきっかけに会社から追われたのは実に残念至極だった。
 この歳になって、一緒に働いた人たちが概ねリタイアしてみると良くわかるのは、人間性が良くて、仕事に対してもチャレンジャブルだった人に限ってそれに値する処遇を企業の中で得られていないのだ。結局立ち回りが巧妙で、策士で、裏表があって、必ずしも部下に信頼されていないような奴に限っていつまでも残っていたりする。至極残念なことなんだけれど、世の中こんな事の連続だ。
 あの人も、この人も、こうした人たちとだったらいくらでも身を挺して仕事をしたい、と思っていた人に限って不遇を託つのだけれど、そういう人たちだから全く文句を言わない。不思議なくらいだ。