ほぼ足りてまだ欲 その先

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Welcome Dinner

 37年前に日本からノルウェーに帰国した家族がかつて3年にしろ暮らした地を見に行きたいということでやってきた。
 私が1971年から1975年まで働いた造船所ではギリシアノルウェー、フランス、英国、中国、もちろん日本の船主からも船を受注していた。当時の日本の造船業界は輸出産業の一翼の担い手だったのだ。
 彼らはノルウェー船主の検査官の家族だった。私の仕事は彼の造船所でのいくつもの要求に対する造船所側の窓口で、それを受けては各部門に伝え応えるだけではなくて、彼らの生活に対する支援をしていた。だから、私も、そして私の後任者も彼らの生活にある程度密着していた。当時幼児だった娘二人は今や既に40代となってそれぞれ10代の子どもたちを育てている。
 検査官自身はもう既に他界していて奥さんは再婚している。娘二人にとっては自分たちの父親のかつての姿を求めるノスタルジー・トリップでもある。
 彼らが住んでいた家ももう既になく、造船所自体も既にもう存在しない。それを知っていて、イースター休暇シーズンを使ってやってきた。来週の火曜日、水曜日にかつて暮らした地域を見に行く。
 昨日の彼らとのウェルカム・ディナーでの話で面白かったのはノルウェーでは家族にお祝いがあると国旗を揚げるというのだ。そして不幸があると半旗で旗を揚げるのだそうだ。国旗が意味を表す方法としても使われている国では多分国旗が愛されている、イヤ、重宝されているということができるのかも知れない。